2006年10月号82ページに掲載
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NTT特集

光化とIP化によって
NGNの構築を目指す

ブロードバンド・ユビキタス時代のNTTの使命


 NTT(和田紀夫社長)は一昨年11月、2010年度末までに光アクセスとフルIP(インターネットプロトコル)化した次世代ネットワーク(NGN)を構築、3000万世帯が利用できる環境を作るというNTTグループの中期経営戦略を明らかにしたが、昨年11月、ブロードバンド・ユビキタスサービスの展開についての実行計画を示した。

2010年度末には
3000万世帯が利用

 和田社長は04年11月発表した「NTTグループ中期経営戦略」で“いつでもどこでも何にでもつながる”ブロードバンド・ユビキタス環境の実現に向けてNGNの構築に取り組み、2010年度末までを第1段階とし、この間は既存の加入電話網と併存させながら3000万世帯にNGNサービスを提供。2010年度以降の第2段階で、加入電話をNGNに完全に切り替えるとしながら、時期について「ユーザーの状況や競合事業者の意見、社会的なコンセンサスを見て、第1段階期間中に決断する」と表明した。
 NGNは総務省が04年に打ち出した「u−Japan政策」に基づき、NGNを通じてICT(情報通信技術)を活用することで、安心・安全な社会の実現を目指すもので、NTTでは2010年度末まで光アクセスとNGN構築に向けて延べ5兆円投資する。併せて固定通信事業のコストを8000億円削減する計画も進める。
 ただ、NGNを構築するには光ファイバーの開放義務やNTTドコモとNTT東西地域会社が一体化した「060」サービスを提供できないという、規制があるため、和田社長は「固定通信と携帯電話の融合が進み、電話網もIP化すると競争環境が変わる」と撤廃を求めてきたが、総務省では近く認める方針。
 昨年11月、NTTはグループ内で重複している事業の集約を柱とした中期経営戦略の実行計画を明らかにした。これは「放送と通信の融合」「固定通信と携帯電話の融合」に向けた動きが活発化する中、グループ内企業の役割分担を明確にして事業効率の向上を図り、競争力を高めるのが狙い。計画によるとNGNはNTTグループが総力を挙げて構築、光ファイバーなどを使う固定電話と、高速データ通信が可能な携帯電話を相互利用できるサービスを目指す。これはNTTグループ以外の通信会社も使えるネットワークを見据えたものでもある。
 インターネット関連事業では事業の効率化と上位レイヤ(階層)サービスの融合を図るため今年8月1日、ポータル(玄関)サイト「goo」を運営するNTTレゾナント(東京)やインターネット接続サービス、「050」IP電話サービス、TV向け映像配信サービスを提供している「ぷららネットワークス」(東京)をNTTコミュニケーションズ(NTTコム)の子会社とした。

加速する光とIP化
次は固定と移動の融合

 ブロードバンド・ユビキタスサービスの展開を進めるためNTTグループでは、ネットワークサービス、上位レイヤサービス、法人サービスとサービスごとに各社の役割分担を明確にするとともに、グループ内の連携強化、他社との積極的なアライアンスの推進に取り組んでいる。
 ネットワークサービスでは、まず固定系が、光サービス(Bフレッツ)の需要が急速に高まり、今年6月末に契約者が407万件と400万件を突破、IP電話加入者が138万件となったことから今後、NGNによるサービスの高度化・多様化を図り、普及拡大を加速させる方針だ。具体的には、より高速・快適なブロードバンド・インターネットアクセス機能の提供、多チャンネル・複数番号サービスなどIP電話ならではのサービスを拡充、TV電話やVOD(ビデオ・オン・デマンド)など高品質の双方向映像コミュニケーションサービスや大容量データの双方向通信サービスといった通信機能の充実などに取り組む。こういった光サービスの本格展開に先立ち、NTTグループでは情報家電メーカーや同業者などと協力して今年12月からフィールドトライアルを実施する予定。
 移動系についてはNTTドコモグループが第3世代(3G)携帯電話「FOMA」に次いで3・5世代のHSDPA方式を採用したスーパー3Gサービスの実用化に向け開発に着手し、今後、より高速・快適な映像・音楽・テキストの配信サービスや映像コミュニケーションサービスを提供するとともに「生活ケータイ」をキーワードに携帯端末の電子マネーやクレジットカード機能の充実に加え、GPS(全地球測位システム)機能などを搭載した携帯端末の利用方法の多様化を推進していく。
 ほかにFMC(固定と移動の融合)として、固定網の内線電話機と移動網の携帯電話機とを共用できる「WiFi(無線LAN規格)」と「FOMA」を接続する一体型端末(One Phone)をユーザーに提供、例えば固定電話・携帯電話いずれかで応答がない場合、一方に転送する機能を備える。さらには従来型の「WiFi」と次世代型の「WiMAX」を組み合わせた、より高度な固定・移動間のシームレスな通信サービスを提供していく考え。

中央大手はコム担当
地方自治体は地域会社

 NTT、NTT東西地域会社、NTTコムの4社は8月1日、上位レイヤサービスと法人サービスの提供体制の見直しを実施した。上位レイヤサービスは前述のようにNTTコムに集約。同時にグループ内上位レイヤサービス全体のマーケティング・アライアンス戦略の策定や事業全体を統括する「ネットビジネス事業本部」をNTTコムに新設した。
 法人サービスでは都市銀行や中央官庁など全国・グローバル型の顧客はNTTコムが、地方自治体、地方銀行といった顧客はNTT東西地域会社が担当。この変更でNTT東日本・NTT西日本の本社法人営業部門が担当する約1800社の法人ユーザーのうち、約1600社がNTTコムの担当になった。これに伴い東西両地域会社からNTTコムに約1200人が転籍、NTTコムで地方自治体を担当する営業およびシステムエンジニア約100人は東西地域会社に順次、転籍している。

地域密着型の事業推進
九州事業本部に9支店

 NTTグループの中期経営戦略の推進に向けた体制見直しに合わせてNTT西日本(森下俊三社長)では7月1日、事業運営体制の見直しを実施。(1)本社・支店などの組織(2)ネットワーク関連業務(3)コールセンター関連業務の3点について見直した。(1)の本社組織では本格的な光・IP時代にふさわしい「機能別事業推進体制」に再編して「戦略プロジェクト推進本部」を設置。支店では地域密着型の事業16支店体制から西日本エリアの30府県すべてに支店を設置、併せてブロック単位の戦略・調整を担う地域事業本部を設置。九州・沖縄地区は九州事業本部のもと8県に9支店(福岡県のみ2支店)が設けられた。ほかにアウトソーシング会社3社についても旧支店単位に設置していた地域会社(営業系・設備系・総務系)3社を統合、新地域会社を設立した。
 (2)ではNGN構築を展望しながら、IP系サービスにかかわる運用・保守体制を充実・強化するとともに、雇用の多様化に対応、専門性の向上を図るため、これまで支店および設備系地域会社で実施していたネットワークの構築から運用までの業務を一元化してNTTネオメイト社に委託した。
 (3)は顧客サービスの向上を図るため、営業系地域会社で実施していた「ブロードバンドコンシェルジェセンタ」「104センタ」業務を一元的にNTTマーケティングアクト社に委託。
 さらにNTT西日本では中堅・中小企業に対するビジネス強化のため8月7日から「ビジネスソリューションパッケージ」の提供を始めた。これは光ブロードバンドをITインフラとしたIP電話システムや情報セキュリティー対策など、ネットワークの構築から運用、保守までをパッケージして提供するというもの。
 同社は中堅・中小企業市場について「ITに関する高い技術や知識を有する人材が少ないなどの理由で情報システムの導入が進んでいない」とみて、より迅速かつ容易に情報システムの導入や保守を図るソリューションを開発した。
 ビジネスソリューションパッケージは光サービスを中心に、セキュリティー対策およびリモート監視のサービスメニューを用意。セキュリティーサービスでは情報漏えいや外部からの不正アクセスの防御、監視サービスでは事業所や店鋪の映像による遠隔監視をできるようにする。ほかにもユーザー企業の業種、導入規模、環境に合わせて順次メニューを拡充していく。ソリューションビジネスの推進体制強化ため、同社では本社、支店を含めて1000人規模の体制を作り、約20人体制の本社ではソリューションパッケージの開発を行い、全支店では約1000人体制で営業活動や営業施策の立案・マネジメントを行う。

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