2006年8月号82ページに掲載
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ヤマエ久野


創業理念を継承、九州市場を軸に
存在価値ある「優れた現物問屋」へ


メーカー、小売業と卸売業は
不即不離かつ共存共栄が基本

出森義人社長
 地場卸売業最大手、ヤマエ久野(福岡市)には創業者、故児玉静夫会長の精神が今でも底流として受け継がれている。「おかげさま、お互いさまの心で、取引先に感謝し、利他の姿勢を貫く」(出森義人社長)。
 加工食品から酒類、チルド、日配食品、原材料、飼料、畜産さらに住宅資材を取り扱う中間流通業としてメーカーとリテール(小売業)をつなぐ。同社には焼酎や菓子、弁当などの商品が製造され、流通に乗りスーパーマーケットやコンビニエンスストアで販売されるまでの過程の「貴重で有益な情報」が集まる。その情報を分析、活用することで需要予測に基づいた商品の開発や、物流の効率化が実現できる。メーカー、小売業と問屋業は「不即不離の関係にあり共存共栄が原点」。ここに同社の現物問屋としての存在理由がある。

「食」と「住」とで地場密着の
地域貢献を進めていく

焼酎王国、九州の各ブランドも強力に訴求
 特に「創業して59年間、九州に生まれ、九州で育ち、九州に支えられてきた」恩恵を大切にする。全国市場を見据える一方で、売上高の90%は九州市場が占めており、「地場密着での地域貢献」に余念がない。
 「食」部門では地元の農・畜・水産物や総菜、製麺などの原材料を卸し、製品を集荷して小売店まで納品、鮮度、トレース(生産履歴)の品質管理にも寄与。食の「安全・安心・健康」に対するこだわりは米飯、総菜、豆腐、水産、液卵、鶏卵などの各加工工場の衛生管理の徹底にとどまらず、健康食品開発チームの発足や、細菌検査のスピード化、省力化を目的とした食品自動検査システム機器「DOX」の全社的な提案として実現している。
 「住」部門でも柱や梁(はり)を施工前に加工(プレカット)、通気断熱WB工法に合わせ、住宅設備や内装材まで総合的な提案が進む。
 体感モデルハウスでは、自動開閉と空気循環システムで年間通して快適な空間をキープ。高温多湿の九州に不可欠の住まいを実現している。
 2006年4月からは情報インフラ「PLISM(プリズム)」が稼働。組織・制度・業務プロセスを見直しながら情報力と物流、リテールサポート機能をリンクさせながら強化する。
 福岡県内4カ所の酒類事業所の受発注を福岡受発注センターに集約。倉庫内ではハンディターミナルを使い、実在庫と電算上の在庫とを瞬時に合致させ、数量と品質に対する配慮も怠りない。
 すべてが冒述通り、故児玉会長の精神を受け継ぐ取り組みで、理想は「ビッグというよりグッドなカンパニー」。大きな会社ではなく、九州市場に根付き、九州人に必要とされ、九州にとって存在価値のある優れた会社(Good Company)こそが視座にある。

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