2006年7月号130ページに掲載

組織力、企業力そして
人間力で “勝つ”、
大手 ハウスメーカー

全国ネームで支持・信頼を高める「ブランド性」の真価を問う


■積水ハウス■ミサワホーム九州■三井ホーム■トヨタホームつくし
■スウェーデンハウス■住友林業■福岡県建築住宅センター

住まいの「賞味期限」は一生続く。家族で永く住んで、実感するものだ
 住宅市場には「初夏の曙光(しょこう)」が差し掛けている。
 企業経営もデフレ経済から脱却、新規の投資が進む一方、個人レベルでも大型消費に対する気運が高まってきた。特に、これまで持ち家購入のタイミングを先延ばしし、買い控えを続けてきた層と世代が、チャンス到来に敏感に“反応”している。

好景気始動で受注回復
商機逸さず攻めに反転

 一陽来復。景気浮揚を受けて、戸建て住宅業界では「好機を逃さず、攻勢をかける」傾向が際立つ。
 国土交通省発表の新設住宅着工戸数は、2006年1〜3月期で平均年率127万戸と前期(05年10〜12月期)に比べ1.5%アップ。05年度の同戸数も124.8万戸と「1997年以来の高水準」を記録した。同戸数は、05年後半から5年ぶりで120万戸台がほぼ定着した格好だ。
 着工に3〜6カ月先行する受注動向(住宅金融公庫の注文住宅受注指数)でも、大手ハウスメーカー7社の実績(05年)は下期から改善した様相が浮かび出る。
 九州地区でも、こうした動向がうかがえるが、背景には地価の底打ち感が一般化、株価も高値で推移するなど個人の投資・消費マインドが上向いてきた経緯がある。 日銀の量的緩和政策解除で市場金利の上昇(債券価格の下落)が続き、住宅ローン金利の先高感も見越されるなか、マイホームを前倒し購入する駆け出し需要も反映。1次取得者層に加え、07年の団塊の世代(全国では700万人)一斉退職による建て替え案件も動いており、各社の戦略もここにピタリと照準を合わせている。
 全国の支店数を147カ所と倍増させたのが積水ハウス。都心部中心に新設し、営業所を支店に昇格、若手スタッフも積極登用し(最年少支店長は38歳)、権限も与え組織活性化を図る。また、注文住宅の完成は転勤・入学が重なる3月と9月に集中。連動して工場出荷も10−11月、4−5月にピークを迎え12−2月、6−7月は閑散期となっていたのを、建売住宅(年間2000区画予定)の分譲時期を春・秋に移行することで工場生産の年間平準化を図る。
 まさに、中国の古典『孫子』を引くなら「勝者の民を戦わしむるや、積水を千仞(せんじん)の谿(たに)に決するがごとき」(勝ち戦は、満々とたたえた水を谷底に落とす勢いで臨む)“兵法”。味方に勝利をもたらすのは「永く住むほどに愛着と価値を増す、住まいの機能と品質」(山田新一執行役員九州営業本部長)だ。

要望を1つずつ反映し
2人3脚で積み上げる

 03年、トヨタ自動車の住宅部門から独立したのがトヨタホーム。年間30人程度の中途採用で住宅営業の即戦力を獲得しており、全国22の販売会社で利益体質が定着し始めていることを機に、10年には主力の鉄骨系戸建て住宅で7000戸の販売を目指す。
 少子高齢化と人口減少が進むなかで、世帯数は縮小するものの、建て替え層では1人当たり床面積が広く工事単価も高くなる。
 ここに「現場主義と全員経営」を貫くのが旭化成ホームズ。ユーザーのハウスメーカー選択基準は多層化して多面的だ。モデルルームはもちろん、複数の建築現場をつぶさに巡り、誠実かつ丁寧な仕事をしているかチェック。アフターケアから住まい心地まで入居者に入念に評判を聞き、絞り込みながら決めていく。
 担当者とユーザーで家族の要望を1つずつ実現させ、2人3脚で「住まいの夢」を積み上げていくのがセールスの基本。ただ、一介の営業マンが個別対応できる限界は超えており、総合的な組織力、企業力と人間力が問われている。 大和ハウス工業の06年3月期決算(連結)は売上高・当期利益ともに2ケタの伸び。87年3月期に連結決算の発表を始めて以来、初めて業界首位に立った。ここには都市部での高層マンションの販売が寄与したもようだ。

真剣な住まい選びに
「3現主義」貫き対応 

 先のゴールデンウィークなど住宅展示場への来場者数はもとより、ハウスメーカーは一様に「お客さまが真剣に住まい選びをする『手ごたえ』を得た」もよう。
 「ドクターに強い」との定評があるのが三井ホーム。「病院のオープンから安定的な運営まで、開業用地を見つける段階からのフォローアップ」(塚本勝九州支店長)に実績を誇り、自信を見せる。
 スウェーデンハウスはモデルハウスへの宿泊体験を募集中。北欧の寒冷地で磨かれた高性能・高品質の家を「九州で“体感”できる。パイン材の香りを確かめ、質感に触れるなど、五感を通して住み心地に納得していただきたい」とは中眞一九州支店長から。
 福井県小浜市の日登建設(山本泰典社長)は公共工事依存型から企業体質をシフト、福岡営業所を起点に「トップハウス」の全国展開を目指す。木造でありながら「可変住空間を満たしたフルオーダーメード(完全注文製造)」(伊賀上珠希常務)こそ身上だ。
 「使い勝手」の面で注目されるのがキッチン、バス、トイレなどの「水回り機能」。連日、必ず使用される設備であり「ミセス層中心にこだわりは強い」(有田直行・サンウェーブ工業九州支店長)ため、「近未来のライフスタイルの変化まで見越した、付加価値の追求」には余念のないところだ。
 家具・インテリア市場も05年後半から持ち直しに向かっている。家具専門店に加え、生活雑貨を取り扱うショップが増え「お客さまの選択肢が広がった」(本石聡・サンゲツ福岡店長)からだが、同店は同社の全国6店ショールーム中でも最優良店。壁紙、カーテン、床材の提案で「現実・現状・現場の『3元主義』に徹し」、商取引の最前線を重要視、「企画や設計の『根幹』から関わる」姿勢が奏功しているようだ。
 さて、このコーナーで「大手」と銘打っているのは大手には、大手足り得る「全国ベースで支持と信頼を集めるブランド力」があるため。その価値と実力は、以下の通りだ。

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