2006年5月号81ページに掲載

「慎重な姿勢を見せつつも所得好転などで購入に前向き」

落ち着きを取り戻した今、購入のチャンス!!

■JR九州■第一交通産業■新栄住宅■穴吹工務店■なかやしき
■アーム・レポ■九州電工ホーム■アースコーポレーション
 一部業者による耐震強度偽装問題は、マンション入居者ばかりか購入希望者にも大きな不安を与え、一気に購入意欲を削いだといわれる。だが、改正耐震改修促進法施行や各自治体の耐震改修促進計画策定などによりひとまず沈静化。企業の業績回復に伴う所得環境の好転もあり、購入に前向きな人が増えているようだ。特に好立地で利便性が高い物件の完売が続いているというマンション。ここでは各デベロッパー自慢の物件を紹介する。

各県都の下げ幅が縮小
マンション建設が増加

 3月23日、国土交通省により発表された06年の公示価格(1月1日時点 )によると、住宅地、商業地のいずれの全国平均も15年連続で下落したが、下落幅は住宅地、商業地ともに2.7%と前年より縮小している。これに対し東京、大阪、名古屋の3大都市圏の商業地は15年ぶりに上昇に転じており、都市圏を中心として日本経済が長期にわたった資産デフレから抜け出しつつあることを印象づけている。
 一方、九州・山口では上昇地点は7カ所にとどまり、福岡都心部に限れば地価は底入れの様相を示している。商業地では熊本県が全国で唯一下落幅を広げ、住宅地も熊本、宮崎、鹿児島各県で下落幅が拡大。首都圏の一部地域に見られる土地バブルにも似た気配とあまりにも対照的で、九州はいまだに8県そろっての下落基調から抜け出せていないのが現状である。

 福岡都心部に目を移すと 、地価下落が大きく、住宅地との差が縮まった商業地にマンション建設が増加している。なかでも福岡市中央区の動きが活発だ。商業地に近い大濠1丁目は最も上昇率が高く5%の上昇を見せ、大濠、荒戸などの高級分譲マンションではかなり高額にもかかわらず、富裕層が中心となり購入しているという。また同市南区では11年ぶり、城南区で7年ぶりに上昇地点が出ている。これは西鉄や市営地下鉄沿線のマンション需要が高まっているためで、さらなる上昇を見せる気配だ。地元のあるデベロッパー社長は「耐震強度偽装問題で一時期マンションに逆風が吹いたが、今はそれもほとんど納まっている。中央区では高額物件もかなり売れており、かつてのバブル期を連想させるほ ど」と語る。

耐震強度偽装問題での教訓
信頼あるデベロッパーを選ぶ

 今回、世間を騒がせた姉歯元建築士による耐震強度偽装問題では、これまでの常識では考えられなかったことが起こり、該当するマンション以外の住民も動揺の色は隠せなかった。果たして自分が住んでいるマンションは大丈夫かと不安を募らせた一方で、「こんなことは絶対ありえない」と憤慨した建設関係者も多かったという。それはとりもなおさず偽装行為がそのまま企業としての自爆、自虐行為にほかならないからだ“欠陥住宅”をつくったという評判だけで、即企業倒産への道をまっすぐに進むことになるのである。まして地域に根差しているデベロッパーにおいて、設計者の瑕疵はそのまま本体の瑕疵となり、言い訳が通るはずがないのだ。あるデベロッパー社長は「事件後、住民から大丈夫かという問い合わせが連日寄せられ、何度も自宅に説明に行くなど、精一杯の対応を心掛けた。説明をしても相手はちんぷんかんぷんだったが、最後は『お宅の物件だから大丈夫でしょう』ということになった。結局、これまで培ってきた信用力で納得してもらった」と語る。

 今回の耐震強度偽装問題は、欠陥マンションの被害者が完全には救済されないことを教えてくれた貴重な教訓といえよう。販売会社、建設会社、設計会社にマンション住民全体への賠償能力がなければ、被害救済は不可能であり、一部、国や自治体による補てんがあっても、損害全体の補てんには程遠い。結局、マンション購入に失敗すると、経済的損害はもちろん精神的損害も回復されない場合が多く、マンションを購入する際は、慎重に慎重を期すことが重要である。
 ほんの一握りの業者の偽装により、多くのデベロッパーがあおりを受けた格好だが、ほとんどのデベロッパーが安心、安全で良心的な物件を提供していることを決して忘れてはならない。

新築マンションの「買い時」は
低金利の今が絶好のチャンス


 耐震強度偽装問題発覚後、販売戸数への影響が懸念されたが、直後を除き、販売は好調のようだ。むしろ事件発覚後、各審査機関が建築確認に時間をかけるようになり、今後、建築されるマンションは安心度が高いものが供給されている。
 もともとデベロッパーの得る利益は建設戸数により多少の差はあるものの、事業全体の1割前後といわれている。バブル絶頂期は5割というマンションもあったが、現在は1棟で大きな利益を上げるのは難しくなっており、「3戸売れ残ると採算が取れない」という。それだけに各社とも大変レベルの高い物件競争が行われているのである。


 マンション購入に際しては、それ相応の経済的な負担を伴うことになる。ほとんどの人が住宅ローンなどを使い、大きな買い物をするのだが、マンションを買うのは「住みよいマンションを資産として持ちたい」と目的があるからだ。資産として持つ、ここに持つと借りるの大きな違いが出てくる。一生で最も高額な買い物になるだけに、後々、後悔しなためにも衝動買いは絶対避けねばならない。しかし購入の意志があるのにタイミングを逃してしまう場合もある。購入にはふさわしい時期、タイミングがあり、それを生かしきることが納得のいくマンション選びにつながるのである。
 では一体、マンションの「買い時」とはいつなのだろうか。一般的には大きく分けて3つの柱があると言われている。
 まず最重要なのが「金融情勢」。これまで実施されてきた「住宅ローン減税」はマンション市場の活発な押し上げに大きな役割を果たしている。これは条件を満たした住宅を購入すると税金が戻る制度で、今後、縮小される傾向にあるものの、かなりの金額が手元に帰ってくることから大事なポイントとなる。
 また、将来金利が1%上がれば、35年返済で約206万円の差になる。金利は物件価格と同じように支払いに影響を及ぼすだけに慎重に時期を選ばねばならないのは当然だ。だがいずれ住宅金融公庫の直接融資の廃止をにらみ、民間金融機関では30年、35年という長期間借り入れを行っても金利2%台という驚くような住宅ローンの販売が開始された。こうした金利面から判断すると、ローン金利をうまく選べばマンションは当分買い時が続くといえよう。
 次が供給物件の数である。九州内では今年もかなりの供給が見込まれており、自分の好みや条件に見合うものが見つかりやすくなる点も見逃せない。
 そし最後が「自分にとっての買い時」である。結婚や出産、子どもの独立などをきっかけに人生設計を立て、資金調達など最終のタイミングを計ることだ。さらに付け加えたいのが信用できるデベロッパー選びだ。マンションというとかなりの金額を扱うため、デベロッパーといえば大きな会社ばかりを想像しがちだが、そうでもない会社もある。資本金や社員数などの会社規模には大小があるのは当然だが、果たして大きいから安心なのか、小さいから危ないかは一概には言えない。企業規模は小さくとも地域に密着し、長年にわたり地道に事業を続けているデベロッパーも多いのである。
 次のページでは事業者に登場いただき、物件紹介や自社のコンセプトを語ってもらう。

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