■岡村製作所 西日本支社 ■コクヨ九州販売 ■イトーキ九州支社 緩やかな景気の回復を背景に、九州では福岡を中心に企業の統廃合・移転や、自動車・半導体関連工場の相次ぐ進出、セキュリティーニーズの急増などで、オフィス家具市場の需要が高まっている。仕事の効率を高め、危機管理も行き届いた快適で安心のオフィスを求めることで、オフィス投資を経営戦略の一環として位置づける企業もある。本特集では、経済環境の変化に伴って進化する現代のオフィスづくりにスポットを当てた。「家具優先」から「ワークスタイル優先」へ国内のオフィスは、明治期以来の机で島を形成する伝統的な配置スタイルが依然として多い。その一方で、企業のIT化や経済環境の多様化に伴ってオフィスは様変りしている。ものづくりの時代から知的創造力の時代への移行である。パーテーションで囲った空間のレイアウトを重視するようになり、以前のように机や収納庫を押し込むといった「家具優先」から、スペースを機能的に配し、ワーカーの仕事効率はもちろんコミュニケーションの向上を図る「ワークスタイル優先」へと脱皮している。企業にとってワーカーの疲労やストレスは生産性を高めるうえで見逃せない。成果主義を生かすためにもモチベーションを高めることは、企業に託された課題でもある。今日のオフィスづくりは、従来のような生産に付随する設備投資ではなく、経営目標の達成に向けたオフィスづくりを計画、管理、運用するファシリティマネジメント(FM)によって、有効なオフィス運営を実現している。つまり、現代のオフィスは、企業の理念や指針を反映したものへ変わろうとしている。人材確保の観点から、オフィス投資はすでに重要な戦略ととらえられているし、不動産の流動化が進む中で、FMを不動産戦略として、オフィスの資産価値向上に連動させるケースも出ている。 こうした傾向は以前は大企業に色濃く、九州に多い中小企業は投資力や関心度の関係でどうしても遅れがちだった。しかし、オフィス投資への意識が徐々に高まっているのも事実。昨年4月に施行された個人情報保護法も1つの契機となっており、情報漏えいによる企業の社会的責任が問われていることで、セキュリティーニーズが急速に高まっている。福岡市ではコールセンターの開設が相次いでいることもセキュリティーの需要増を後押ししている。地場IT企業をはじめ信販会社などの金融機関、JAオンラインセンターなど多くの企業でICや指紋認証による入退室管理システムが導入され、パソコンはもちろんキャビネットやコピー機までの細部にわたり認証チェックが入る例もある。開校した九州大学伊都キャンパスでは、施設入退室や閲覧のための認証や、クレジット機能を搭載した独自のパーソナルICカードをベンダーと共同で開発中で、大学で初めてのモデルケースとして注目を集めている。 空間を縦横に使い業績向上につなげる組織の縦割りを超えた横断的なコミュニケーションを重視する企業が増えている。ニューオフィス推進協議会(NОPA)の調べでは、社内コミュニケーションスペースの充実度と業績の間には明確な相関関係があるという。こうした関係を戦略的に重視する企業では、部門間の連携を図るため、上下階フロアをつなぎ社員の移動を円滑にする階段や吹き抜けを設けるなど、オフィスに縦の広がりを持たせるケースや、情報交換をスムーズに行うため、懇談や交流を意識したリフレッシュスペースを配置、機動的な移動式テーブルも活用するケースがある。業界では、無線LANや携帯電話を使ったモバイル環境の活用により、オフィスのあり方が大きく変ぼうすると指摘されている。 最近は、従来のスペース効率、コスト運営といった管理側からの押し付けでなく、ワーカー側にも計画をオープン化して、意見や感性、嗜好を反映させようという試みが強まっている。 このように、オフィスのあり方は企業の経営戦略、差別化戦略の大きなファクターとして位置づけることができる。これに応えて、オフィス家具メーカーなどがチームを組み、設計、計画、スケジュール管理、移転先の紹介、引越しの手配、内装工事、情報システムの構築からその後のメンテナンスまでトータルサポートしており、オフィスの質の向上につれて、理想的なオフィス環境の実現に向けた提案力に磨きがかかっている。「物流の効率化や生産の合理化はすでに行き着いている。残すはオフィスの生産性」との声もあり、大いに注目されるところだ。 | ||
|
●ご意見・ご感想・情報提供はこちら (尚、無記名・連絡先のないメールは削除されます) | ||