特集 不動産有効活用
不動産の真価を見極め未来市場で勝者を目指す
■ディックスクロキ/■コスギ不動産/■コンダクト
不動産市場では、地価下落により、かつて「失われた10年」を逆手に取って、次代に「得る10年」を取り戻すための好機が訪れている。そのキーワードは流動化、金融商品化の一大トレンド、さらに AM、PMといった最新ノウハウ。大局を読み、先手を打って行動する者のみが、ゲームの主導権を握り、勝敗を決していくのは、あらゆるレースに共通、かつ不変のセオリーだ。
進む、建物の金融商品化
投資資金も「九州シフト」
不動産を流動化して、金融商品に組み換える動きが盛んだ。いうまでもなく、これまで通りの姿勢で、建物と土地を持つのでは富は生まれない。「不動産は所有から活用へ」とのトレンドは、すでに自明の理だが、ここへきて、その“証明例”が次々と出ている。
例えば、商業テナントビルから生まれる収益を株式や社債に転化(不動産の証券化)して販売、物件の賃貸料収入などを原資に出資者に配当する金融商品が一般化。
また法人、個人の投資家問わず集めた資金でオフィスビルなどを丸ごと購入。賃貸料収入を元手に、管理・運用した利回りを投資家に配分する不動産投資信託(REIT)は、株式と同じく証券会社を通して市場で売買できる、不動産・金融の融合商品でもある。比較的小額で購入できるため、個人資産を不動産市場を呼ぶこむ効果が大きい。
一連の事例の実績を背景に、外資系や東京大手を中心とした不動産ファンド(基金)会社による「九州シフト」が進む。例えば立地と環境に恵まれ、収益力ある賃貸マンションなら積極的に投資する。ことに九州新幹線の開業を受け、JR駅周辺交通網の整備が進む熊本、鹿児島の両県、さらに商業集積が拡大し、集客力、吸引力共に拡大し続ける福岡市都心部には、巨額のマネーが流れ込む。こうした潮流のもと、地場不動産デベロッパー(開発業者)のかじ取りは、実に多彩だ。
AM、PMに、豊富な実績
資産活用の手法も蓄積
福岡市都心部を中心に約7000戸(住戸)の賃貸マンションを管理するディックスクロキは、冒述した「不動産の金融商品化」手法すべてに通じており、そのアセットマネジメント(AM、資産管理)とプロパティーマネジメント(PM、物件運営)に一定の実績と評価があるため、有力ファンドから、大型賃貸マンションのバルク・バイイング(まとめ買い)まで視野に入れての引き合いが依然、強い。
熊本市のコスギ不動産は、資産流動化法(資産の流動化に関する法律)に基づき、不動産を証券化。特別目的会社(SPC)を設立、開同会社を通じて資金を調達する手法で実効を上げた。投資価値のデューデリジェンス(客観・適正評価手続き)にはじまり、建物のメンテナンス、資産活用コンサルティングまで幅広いノウハウを蓄積。次代に向けた収益物件を開発する道筋を付けており「中央ファンドからの投資オファー(申し出)が引きも切らない」ようすだ。
その中では、いずれの開発物件も「都市景観の一部であり、経済インフラの一翼を担い、テナントや居住者の職・住を守りながら次世代に受け継ぐ社会資本」というのも各デベロッパーの共通認識。これは何も新築物件だけには限らない。
バブル経済期の物件を
先進仕様に再生させる
北九州市を本拠地に地域会社ならではの情報力を駆使しながら事業を拡充するコンダクトは、不動産再生ビジネスに自信を深める。「物件のオーナーに先進の不動産経営ノウハウを提供。テナント誘致にも注力する」などして年間6%の利回りだった商業ビルを15%にまで引き上げた実績もある。
同社はさらに福岡から山口、広島、沖縄まで同ビジネスの事業エリアを広げていく構えにある。
特に既築10年、15年程のオフィスビルや賃貸マンション、ビジネスホテルなどはバブル経済期に建てられたこともあり、立地から間取り、設備まで「好条件で住空間にも余裕があり、高付加価値の仕様、デザインの物件が目立つ」。それだけに計画的に適正なメンテナンスを加えることで、今日に再生させる意義は多大ともいえる。
この辺り、福岡市のワイズプランニングやベスト不動産は、物件のオーナーやユーザーの視点に立った不動産のリフォームで、多くの高稼働物件に再生、着実に市場の支持を獲得しているところだ。
さらにアパート経営では個人向けのノンリコースローン(非遡求型融資)が同経営の後押し。借り主の責任を限定して、1つの土地には1つの担保しか打たず、融資対象物件以外に債務変換義務が及ぶことはない。以下では、実際に不動産の流動化を進め、地域社会に新しい価値をもたらすケースを追ってみたい。
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