2005年8月号86ページに掲載
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田苑酒造

本年度の熊本国税局鑑評会で「優等賞代表」を受賞 さらに技術力磨き新商品を積極投入


ブームに踊らず品質第一を貫く

有川 徹社長
 創業1890(明治23)年の田苑酒造(鹿児島県薩摩川内市、有川徹社長)は焼酎造り1世紀以上にわたる長い歴史を誇る。昔ながらの焼酎造りの伝統を守る一方で、雑菌を繁殖させない「無菌開放発酵」や焼酎にクラシック音楽を聴かせる「音楽振動熟成システム」を取り入れるなど、オリジナリティあふれる焼酎造りを行っている。
 同社は鹿児島県の焼酎メーカーでありながら、製造比率はおよそ麦焼酎81%、イモ16%、米3%の割合となっており、なかでも長い歴史の中で大切に守られてきた麦の長期貯蔵酒は同社の財産といえるものだ。ホワイトオークの樫樽に貯蔵された原酒から造られる麦焼酎「田苑ゴールド」は同社の代表的商品であるとともに、これまでの焼酎のイメージを一新させた高付加価値焼酎の先駆的な商品だ。ほかにも南薩摩産のコガネセンガンを原料に使用したイモ焼酎「田苑いも」、黒麹菌を使用した「田苑黒」をはじめ米焼酎「田苑米」などさまざまな商品を取り揃えている。
 本格焼酎はここ数年、異常なまでのブームであり、工場新設や増設に踏み切るメーカーが相次いだが、「適正な企業規模を維持した健全な成長」を社訓に掲げる同社は決して無理せず、あくまで品質本位で付加価値の高い商品を提供し続けることに徹している。有川社長は「こだわりのイモ焼酎が伸びることで、イモ焼酎全体が押し上げられ、バブルに近い感があった。しかし黙っていても売れる時代は終わった今、古酒を生かした独自性溢れる商品を提供したい」と意欲を燃やしている。

もろみ酢などの2次製品も好評

田苑酒造の本社工場
 田苑酒造では自社製品を酒類鑑評会に積極的に出品しており、連続受賞を続けているが、平成17年度の熊本国税局酒類鑑評会においては「優等賞代表」を受賞した。「代表」とは優等賞の中で最も優れた焼酎に与えられるもので、優等賞27年連続受賞という輝かしい実績に一段と花を添えた形だ。また鹿児島県本格焼酎鑑評会においても26年連続で「優等賞」を受賞。酒類専門家からも高い評価を受けている。
 こうした焼酎造りにおける高い技術力を生かし、新製品開発にも積極的だ。産学官で共同開発した「もろみ酢」は一昨年の発売以来、着実にファン層を拡大。一般のもろみ酢に比べクエン酸やポリフェノールを多く含んでいる上、酸味も強くなくサツマイモの甘味もあることから九州発のブランドとして注目されている。また工場に併設された焼酎資料館では毎年2回、クラシックコンサートを開催。27回目となる今回も多くのファンが集い、焼酎を味わいながら音楽を楽しんだ。

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