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「大学が選ばれる時代」である。選択肢として比重が高まる就職は、“率”だけでなく“質”まで求められている。その一方で、フリーターやニートなど定職に就かない人口が増加、派遣労働者が過去最高に達するなど、労働を取り巻く環境は明らかに変化している。それだけに今の大学に問われるのは、いかに学生に就職意欲を持たせるかであり、模索の日々が続く。「早期取り組み」「支援センターの拡充」といった旧来の施策に加えた各大学の新たな取り組みを就職責任者に聞いた。
北九州市立大学 田島 裕美学生部学生課長「改革の年、教職員一丸となったキャリア支援体制で臨む」特に国際環境工学部は、教職員一丸となって進路指導を実践した結果、第1期生は希望者はほぼ全員が就職を決めることができた。また文系の外国語・経済・文・法学部の4学部でも、今回の法人化を契機に大きく改革が進み始めている。 学生の将来のキャリア形成に向けての具体策としては(1)OB・OGを学内に頻繁に招待して社会人としての生の話を聞かせる(2)自分の進路を自分で考え決定できる力をつけさせるためのキャリア教育を低学年から行う(3)実際の社会体験を通してキャリアを考えるためのインターンシップ―などを積極的に行っている。 本学ではこれからも教員・職員・学生3者でアイデアを出し合いながら、社会や企業の求める人材ニーズを把握しつつ、学生のキャリア支援に取り組み、学力と社会性のバランスのとれた学生を育てていく。
九州産業大学 阿部 秀哉就職部就職課長「県外就職を働き掛け就職率アップを目指す」なかでも本学4年生が3年生の就職希望者に対し自らの体験をアドバイスするジュニアアドバイザー制度は先輩が親身になって後輩の面倒をみるため、これから就職活動を行う学生の心強いサポートとして大変好評だ。ジュニアアドバイザーは卒業後、引き続きキャリアアドバイザーとして、仕事の休みを利用して母校の後輩のために指導に来てもらっているが、これらはすべて無償のボランティア。東京本社の大手製薬会社のMRとして働く卒業生がわざわざ来学し、県外で働くことを勧めることで、学生も積極的に県外就職の意思を固めるなどの成果をあげている。 また就職が厳しい女子学生については女子学生ガイダンスを行い、厳しい現状を認識させるほか、メイクアップ講座や立ち振る舞い講座など礼儀やマナーを厳しく指導している。また父母に対しても全国23会場で説明会を行い、就職の現状を説明し、理解を求めている。
九州情報大学 川久保文雄学生部次長就職課長「1年次から段階を踏んだキャリア指導を徹底」05年4月から小郡市に新学科「情報ネットワーク学科」を新設し、太宰府キャンパス(経営情報学科)と小郡キャンパス(情報ネットワーク学科)に分かれて卒業後の目標を意識させた教育を徹底させる。本学における就職指導は「社会性と協調性を兼ね備え、積極的で自立心を持った学生」を目標に、1年次・2年次のカリキュラムの中にキャリア意識・進路設計にかかる指導を組み込み、3年次に「就職対策アワー」を毎週開講して段階を踏んで指導を行っている。また、学内での合同企業説明会の開催やインターンシップへの積極的な参加、資格・検定試験取得の支援講座等、就職活動に役立ついろいろな機会を設けている。 実際の就職指導についてはキャリアデザインセンター(CDC)を設けて学生一人一人に対して相談が受けられる体制を取っている。CDCでは民間企業の人事採用担当部署出身のスタッフが常駐し、進路に関する相談から資格・検定の取得、学生生活に関する悩みや相談まで幅広く受け入れながら、就職指導として企業側に立った厳しい目を持って採用試験の指導を行っている。
西南学院大学 坂井啓学生部就職課課長「入学直後からキャリア形成支援をスタート」●EQテスト(WEB版)を活用した支援 全国で初めて、1年生全員(3年次にも)を対象に、心の知能指数と言われるEQ能力を測定し、各自が診断結果を基にアクションプランシートを作成。次に学生と課員による個別コンサルティングを実施。自己理解の促進と充実した学生生活を送る一助としている。 ●インターンシップの推進 実施8年目を迎えたインターンシップは、各受入れ事業所のご協力をいただき、平成16年度には海外を含めて70事業所に96名を派遣し、キャリア形成支援の柱として順調に拡大している。 ●スチューデント・アドバイザーの活用 就職活動を終えた4年生が、後輩たちの相談役として就職課に常駐し、疑問や不安の解消、タイムリーな情報の提供等に一役買っている。3年生以下の学生にとって気軽に相談できる先輩たちは心強い存在である
創価大学 佐俣 憲次キャリアセンター部長「進路・就職サポートのさらなる充実を目指す」このような時代状況に柔軟で積極的に対応し力ある人材輩出のために、昨年9月キャリアセンターを新たに開設した。センターを起点に学生の就職支援を強力に推進したい。 本学では理事長・学長を中心に理事会が学生の進路支援には総力をあげて取り組んでおり、おかげさまで企業就職も大学・短大ともに順調に進んでいる。なかでも、教員採用試験には過去14年間、毎年100人超の合格者を出し、昨年の301人に続いて、今年度は、340人(3月4日現在)が合格した。司法試験も本年9人が合格し、昨年開設したロースクールの充実を図りながら、アメリカ創価大学と共に、全世界に有為な人材を輩出すべく、大学をあげて取り組んでいきたい。 本学卒業生は全九州・沖縄各県で活躍しており、今後も皆さまのご支援を、何卒宜しくお願い申し上げたい。
崇城大学 市原 信昭就職部次長「早期に意識づけを行うと同時に、保護者の理解を求める」企業の採用はかなり早い時期に集中しており、これに対応するには、早い時期からの取り組みが就職の成否を握っていると考える。そのため1年次から就職関係の授業開講や就職講演会などを行い、ます就職への意識を高めることに重点を置いている。本格的な指導は3年次からとなるが、自己分析を徹底して行った後、10月から企業研究や履歴書作成指導などを行う。また約80社が参加する合同企業説明会には一人でも多くの学生を参加させ、ここで自分の進路について真剣に考えさせるようにしている。 また学生本人への意識づけも重要だが、保護者への現状説明も重要だ。少子化の影響で、地元残留を希望する保護者も多く、遠隔地への就職敬遠する傾向がある。このため全国18カ所で保護者懇談会を開催し、就職への理解を求めている。卒業後もアフターフォローを行っており、徹底した支援体制を整えている。
中村学園大学 宮元 純孝就職課課長「改革をテーマに就職支援をさらに拡充」04年度も2月現在で前年を上回る見込み。求人は増えてはいるものの、正社員を減らし臨時雇いを増やす傾向が顕著で、学生にとって就業環境が以前にも増して厳しくなってきた。こうした中で、本学の実学を重んじる教育に採用先の高い評価があり、深く感謝している。 本年の就職課の就職支援のテーマは「改革」である。まずハード面の改革として、就職資料室の資料内容を刷新、就職内定者による各種相談コーナーの設置、求人情報などがいつでもどこでも見れる携帯電話ツールの活用促進などを実施、企業と学生双方への紹介活動を有効にしていく。 またソフト面の改革としては、就職担当者のスキルアップ、時間管理を意識づける就職相談のアポイント制導入、学生サポーター制度導入、就職説明会の内容工夫などで、より適切な指導によって自主性を促す工夫をする。 求人者、求職者双方から信頼される就職課を目指したい。
西日本工業大学 長岡 公博就職課長「就職活動も教育の一部、個別指導を徹底」学生には「履歴書交付願い」を提出してもらうが、このデータを大学側で一元管理することで、各自の就職活動をリアルタイムで把握。就職指導委員、就職課職員や卒業研究担当教員が個別にコンサルティングを行う。 履歴書やエントリーシートの書き方をはじめ、企業訪問や面接試験でのマナーや心構えなどもマンツーマンできめ細かく対応する。また、就職課のパソコンだけでなく、学内のどのパソコンからでも自在に5000社強の企業情報(企業プロフィールや求人状況)が検索でき、インターネットを通して、各企業のホームページにアクセスすることも可能。 4年生には約100社の人事担当者、本学卒業生を総合体育館に招いて「学内企業セミナー」を開き、企業側やOBの“ナマの声”を聞くことで最終的な企業選びに役立ててもらう。女子学生に対しても専門の「女子学生ガイダンス」が好評で、現役OGから受けるアドバイスが就職活動に生きているようだ。
福岡大学 立花 時弘就職・進路支援センター事務室長「多様なプログラム提供、相談体制の強化、インターン制度の充実を図る」本学は総合大学としての利点を活かし、学内の他のセンターが行う資格取得支援や、より実践的な能力開発のための講座などと密接な連帯を図りつつ、明るく元気で意欲的な、環境の変化に対応できる柔軟な感覚とコミュニケーション能力を備えた人材育成に努めている。
福岡工業大学 青井 透就職課長「For All The Studentsに徹する」就職支援の基本は、個人をベースにした支援体制を核とし、単なる就職のためでなくキャリアデベロップメントも視野に入れた指導に徹すること、また本人の理想と現実のギャップを極力少なくするためのインターンシップを強化することや目線の合った指導体制の強化としてのアドバイザー制度の強化を行いながら費用対効果にも十分配慮を重ね、結果として大学の方針にある「For All The Students」に徹していきたい。 また04年度は文系の社会環境学部第1期生の就職もほぼ期待通りの実績を上げられ、なかでも女子学生の内定率100%は本人はもとより保護者にも大きな満足感を与えることが出来たと自負している。今年はさらにその真価を問われる年でもあり、ヘッドワーク、フットワークを緻密にし、学内プロジェクトチームを結成し全学的な支援体制をさらに強化していくことにしている。 |
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