2004年8月号98ページに掲載
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ニチリウ

全社員が経営者の意識と「協業の精神」で、実績を築く



業務のシステム化、効率化で37年間連続で黒字を達成

松本忠興社長
  ニチリウ(北九州市、松本忠興社長)は、九州最大手の園芸商社で花卉(かき)、種苗を取り扱う一方、専業農家用肥料、穀物(大豆)、農薬など農業に関する幅広い商材の卸売り、輸出入を手掛けており、どれも九州地区のトップレベルの売上高を維持している。
 設立は1968年。日東花材と龍の合併(96年)で、現社名となるが、松本社長は物流拠点(甘木物流センター)のシステム化をはじめ、肥料や資材などの在庫管理や輸送の効率化を進め、37年間連続で黒字を計上した。 この偉業は「徹底的に現場に立ち続けて、スタッフの意識と実務の変革に務めてきた」(松本社長)ことの“開花”といえる。
 まず、(1)全社員に、「会社の数字をオープンにした」。貸借対照表や損益計算書はいうにおよばず、全社的なカネ、モノの流れを見せて、会社の財務状況を明快に認識させた。
 常に経営者の視線に立って、自社の現状を正確に把握。そこで、いま、どんな手を打つべきなのかを考えながら実務にあたる。「全社員が経営に“参加”。1人1人が事業家なのだ、という意識で」現実に対処する。
園芸用肥料を製造する関連会社、サンアンドホープと、その工場内
 その上で(2)「費用対効果」にこだわった。最前線の営業マン1人1人の1カ月の営業経費と売り上げを伝票でチェック。ガソリン代から交通費に至るまで、適正な費用で最上の成果を上げているのか、仕事の効率や進め方を重視した。同様に管理間接部門も、電話代や水道光熱費までムダな出費に目を光らせ、「時間とお金の使い方を見直しながら、着実に利益を生む体質を育んだ」。
 これを個人から課、部へとセクションごとに徹底し、さらには役員から経営トップまでスパイラル(らせん)状に拡大していく。

北九州市の福祉にも貢献「経営者賞」を一里塚として

展示会
 (2)スタッフ同士が「お互いのために頑張る、という土壌も培った」。まずは課のため、部のために、という「協業の精神」で組織への貢献を重ねる。日常的に顔を合わせるスタッフの笑顔を勝ち取るために、成果を積み重ねる。この集大成が組織力のアップにつながる。これら3つの展開が「エンドレスに続く」のだ。
 さらに同社は、北九州市に全国初の知的障害者雇用施設を開設(第3セクター方式)するなど、地域福祉にも寄与度が大きい。先述の経営実績に合わせ、こうした活動も社会的に評価され、この4月には九州・山口地域経済貢献者顕彰財団(理事長、四島司・福岡シティ銀行特命顧問)から「経営者賞」(第31回、03年度)を受賞した。
 ガーデニングブームや、観葉植物にいやしを求める気運が高まる中、堅調な園芸市場だが、表彰は「1つのエールであり、企業経営の一里塚」と受け止め、同市場に安定的な地盤を築いているところだ。

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