2004年8月号78ページに掲載
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雲海酒造

30年の時を経てそば焼酎へと回帰 本格焼酎を全国へとさらに浸透



そば焼酎の世界を拡大全国キャンペーン展開中

中島勝美社長
 消費者の本物嗜好と健康志向、2002年11月1日に発効した本格焼酎の法的定義も追い風となり、焼酎業界は活況を呈している。雲海酒造(宮崎市、中島勝美社長)も、今や国民酒となった焼酎人気の高まりとともに業績が拡大。そこには、個性的で味わい深い本物へのこだわり、多様化する消費者ニーズに応える商品開発を手掛けるなど、ブームを一過性に終わらせない対策がある。
 03年10月、本格そば焼酎「雲海」が誕生して30年を迎えた。社名を全国へと広め、麦・芋と並びそばを本格焼酎を代表する原材料として定着させるなど「雲海」が果たした功績は大きい。その節目にあたる今期、同社では年間を通してそば焼酎の販路拡大に取り組んでいる。04年3月からは「あなたの想像よりはるかに旨いそば焼酎〜すっきりとした甘さとさわやかな香り〜」をキャッチフレーズに、全国一斉キャンペーンを実施。併せて、人気商品「那由多の刻」と03年3月関東エリアで販売開始した「花押雲海」、2種類の長期貯蔵焼酎の全国販売を開始した。「そば焼酎雲海・復刻版」も宮崎県綾町の「酒泉の杜・杜の酒蔵」で限定販売。7月には新商品「吉兆雲海」を関東、関西地区で販売開始、秋口には全国発売予定など、そば焼酎の世界を広げている。そば焼酎以外でも、本格芋焼酎「古秘」「さつま木挽」、本格麦焼酎「大麦いいとも」の全国発売も開始した。また、本格芋焼酎の需要増大に対応するため、高岡工場(宮崎県高岡町)と鹿児島工場(鹿児島県出水市)の生産体制を大幅に増強する計画だ。

焼酎粕を100%リサイクル 環境対策を文科省が表彰


7月から関東・関西地区で新発売。九州は今秋発売予定の本格そば焼酎「吉兆雲海」
 焼酎業界にとって緊急の対策が求められるのが焼酎蒸留粕の海洋投棄問題だ。政府は海洋汚染の防止を目的としたロンドン条約の96年議定書を遅くとも2年以内に批准する方針を打ち出している。焼酎業界でも焼酎粕の海洋投棄全廃に向けた動きがある中、雲海酒造では早くからこの問題に取り組み、97年には焼酎業界初となる焼酎粕処理施設を設置。99年には飼料工場が稼働し、焼酎粕の家畜用飼料化の実用化に成功した。開発された飼料は、肉用牛および乳牛農家で上質の飼料として利用されている。さらに、有機発酵肥料や液体複合肥料の実用化にも成功。焼酎粕100%リサイクルの一連の取り組みが認められ、04年4月には中島社長が文部科学大臣賞「科学技術振興功績者賞」を受賞した。
 市場および消費者ニーズを見極めた販売戦略の展開と、高品質の付加価値商品の開発・販売、さらに、業界に先駆けて環境対策を講じるなど、時代を先取りした経営戦略が雲海酒造の経営基盤を盤石なものとしている。

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