2004年8月号74ページに掲載
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ヤマエ久野

九州本位の問屋として物流、情報、リテールサポート機能をアップ


焼酎ブームで、売上高は過去最高 物流基盤に積極投資へ

柳川信社長
 地場卸売業最大手、ヤマエ久野(福岡市)の積極策が際立っている。
 「好況だから打ってでるとか、不況だから手控えるというのではなく、次代への布石となる投資は、常に続ける」(柳川信社長)というものだ。
 酒類小売販売免許の自由化で、ユーザー層の拡大が見込める中、焼酎の急成長を読み、いち早く首都圏市場を攻めたことが奏功した。
 2004年3月期連結決算では協和発酵系の酒類卸会社、トウヤマ(東京都)の買収(02年9月)による半期分の売上高約41億円が大きく寄与。
 健康茶などのノンアルコールドリンクも、健康ブームの後押しで伸長し、過去最高の売上高(2472億円)を記録して2年連続の増収だ。
 03年12月に、ダイキン工業系のダイキン環境研究所と共同で設立した「バイオ・シータ」では、食品検査装置の開発を手掛ける。弁当、総菜、おつまみなどを企画して製造、出荷する前に安全性、衛生性を厳密にチェック。新商材の開発と品質管理を同時平行で進めている。
「ゆめタウン九州物流センター」は、九州自動車道など幹線道路に近い、抜群の立地条件にある
 また03年8月からは「ゆめタウン九州生鮮センター」(佐賀県鳥栖市、03年5月より稼動)に続いて、「ゆめタウン九州物流センター」(同県基山町)が本稼動。イズミのゆめタウンなど全九州のショッピングセンターに、常温で管理できる菓子・酒類や衣料品、日用雑貨品を配送する。
 こうした一連の投資は「瞬間風速のタイムで見れば、一時期に企業収益を圧迫するが、長期的には、ローコストで利益を生む物流システムを確立するため必要」との読みがある。
 すでに、手形債権の流動化にも着手している。有利子負債を圧縮して財務体質を強化しながら、新たな資金調達の手段も確保する。三井住友銀行出資のSPC(特定目的会社)に、小口取引先向け債権などの手形債権を一括で譲渡。SPCは手形を担保にして発行した債券を投資家に販売する仕組みだ。物流機能の基盤整備を急ぎながら、社内の情報インフラと社外のリテールサポート機能も構築、強化していく。

情報インフラ「PLISM」と業務改革委員会が連動

 05年10月のスタートを目標に、情報インフラ「PLISM(プリズム)」を構築中。あわせて組織・制度・業務プロセスの段階的見直しのための業務改革委員会を推進している。
 この間に各取引先との連係も緊密にする。柳川社長は「九州で生まれ、育てられた地場問屋だから、九州のお得意先を大切にするのは当然」と言い切る。
 全国市場を見据える一方で、売上高の90%は九州市場が占めており同社の軸足は「九州」にあり、九州にとって存在価値ある、大きな会社ではなく良い会社(Good Company)を目指しているところだ。

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