2004年7月号159ページに掲載
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IR特集

イフジ産業
ジャスダック 銘柄コード2924

「機会」を見抜く視野と素早く的確な対応力と

藤井徳夫社長

〒811-2312
福岡県粕屋郡粕屋町大字戸原200-1
TEL.092-938-4561

http://www.ifuji.co.jp
 「機を見るに敏なるを以って、貴しとなす」。
 液卵メーカー、イフジ産業(福岡県粕屋町)の経営哲学は、藤井徳夫社長のこの一言に集約される。 「機会アリ」と感じた瞬間に、どれだけ素早く的確な対応策が打てるのか、この洞察力と機動性こそが企業力、というものだ。
 液卵とはパン生地やマヨネーズ、茶わん蒸しなどの原料となる加工用卵のことだが、外食や惣菜など業務用に使う液卵市場は、拡大の一途。液卵業界には「好機」が続くが同時に「危機」にも直面した。
関西新工場は、液卵製造で国内最大規模。「年間5%の販売増で、シェア(2004年現在、9%)を10年には15%まで引き上げる」要となる
 2004年初頭から社会問題ともなった「鳥インフルエンザ」騒動で、同業界も大きな打撃を受けた。 それまで鶏舎で飼っていたニワトリがインフルエンザウイルスに冒され、次々と感染しながら死んでいく。実は、この「機」にも同社の対応はスピーディーだった。藤井社長自らが危機管理本部長となり、液卵製造の全工程での安全・衛生管理を徹底。さらに「日ごろからの信頼関係がモノをいった」。
 同社が年間契約する全国500軒の養鶏場の全面協力でピンチを乗り切った。特に、需要が目減りし鶏卵がダブつく夏場に大量の鶏卵を買い付けるなど、養鶏場の経営をサポートする同社の姿勢に対する支持は手厚かった、といえる。
 むしろ、同社では「危機の中に好機を読む。逆境を逆手に取って、機先を制する」展開が際立つ。
 この4月からは関西新工場(京都府井手町)が稼動。4ラインで日量50トンの液卵を生産するが、08年をメドに生産ラインを6ラインに増強し、日量100トン生産まで拡大。
 粕屋町や水戸市などの工場も生産を増強し、全4工場の年間生産量(03年で4万トン)を6万トンに拡大し、売上高100億円を目指している。

IRのプロに聞く

野村證券
金融経済研究所 企業調査部
アナリスト 今村宗嗣

「厳しい業界環境下、販売数量は着実に増加」

 イフジ産業の2004年3月期決算は、売上高69億4000万円(対前年期比8.1%減)、経常利益7億7000万円(同15.7%増)となった。鶏卵相場の大幅な下落により減収となるも、鶏卵販売数量は対前年期比8.7%増を達成し、経常利益では期初の会社計画を上回った。
 販売数量当たり粗利益額を固定する、同社独特の取引形態が奏功した結果といえよう。
 前期のポイントは、業界全体に大打撃を与えた「鳥インフルエンザ」問題が、同社にはプラスの影響をもたらした、という点である。同社の高い衛生管理能力や大量生産能力が食品メーカーから評価され、取引集中化による受注増加の恩恵を受けることができた。
 今期の会社計画は、売上高71億5000万円(同3.0%増)、経常利益6億5000万円(同16.3%減)である。
 関西新工場の償却負担増による経常減益となるが、工場移転に伴う補助金が特別利益として加算されるため、税引利益では前期並みを確保する計画である。
 前提となる液卵販売数量は保守的であり、同社計画の達成は可能と思われる。リスク要因は市場の縮小である。特に鶏卵農家など、生産者の経営状況が悪化している点には留意する必要があろう。

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