2004年4月号116ページに掲載
▲扉に戻る

九州の大学2004

北九州市立大学

「21世紀型の大学に脱皮」


吉崎 泰博学長
 本学は1946(昭和21)年に設立された小倉外事専門学校を前身とする公立大学である。開学以来、半世紀以上にわたり、幅広い知識と専門技能を習得し、地球的視野に立って時代を切り開く人材を養成する高度な研究機関としての役割を果たしてきた。同時に北九州市の大学として、地域住民の生涯教育などにかかわり、地域社会への貢献にも積極的に努めてきた。

05年度から公立大学法人に内部改革を図る

北方キャンパス
 時代は目まぐるしい変化を遂げており、社会が大学に求めるものも、大きく変わってきている。本学はこれに応えるべく、05年4月に公立大学法人に移行する。
 これまで北九州市を経営母体とし、運営、人事、会計など大部分を市に依存する面が多かったが、今後は独立した法人として、あらゆる面で大学側が主体的に運営を行うことになる。当然、法人として経営合理化、透明化を義務づけられることになるわけだが、半面、大学の特性に基づいた自由な運営が可能となり、意思決定も迅速に行われることになる。またこれまで公務員という立場から自由に活動できなかったベンチャー企業立ち上げや企業活動も、事前の許可を得れば可能となる。
 ベンチャー企業では、本学大学院国際環境工学研究科の院生が仲間の院生や国際環境工学部の研究補助員らとともに本学初のベンチャー企業「ジオクラスター」を設立し、建築設計や地理情報システムの構築、環境関連などの事業を展開中だ。これまでに中国・上海の靴下工場の管理棟や宿舎の設計を受注するなど見事な成果を収めており、今後は教職員によるベンチャー企業立ち上げに大いに期待したい。

07年度をめどに学部・学科・大学院の大幅な再編成を計画

北方キャンパスに新設された英語教育のためのCALL教室
 21世紀型の新しい大学創造を目指し、大幅な改革を続ける本学は、法人化に続き、07年4月に学部・学科・大学院の再編成を行う検討を進めている。
 これまで大学は真理の探究を主眼に置き、学問的に価値あるものを探求してきた。結果、象牙の塔にこもり、社会から隔離された面があったことは否定できない。20世紀の大学の価値はそれで十分だったが、大学が大衆化した現在、世界の大学の教育・研究は大きく変化。例えば自然界のメカニズムを利用し、いかに人類が生き延びていくか、より便利で環境に負担がかからない新製品をいかに開発するか、などの実用面重視へシフトしている。
 本学はこうした時代の変化に合わせ、学部・学科などの再編を検討する。実践的な研究や学部生が社会に出て役に立つ教育内容を厳選し、現実社会で役立つ教育・研究へ刷新する「知の創造と活用」を具現化していく。以下はそれをまとめたものである。
◎時代に合った学部・学科構成
学部教育は学問意義よりも時代の要請を重視する。
◎英語教育の徹底
 全学生の英語運用能力を向上させるために、徹底的な語学訓練体制をとる。
◎卒業生の専門的能力保証
 各学部・学科・専攻ごとにその分野に必要な能力、資質を確実に養う。
◎きめ細かなキャリア教育・キャリア支援
 基礎研究で人生への積極的な姿勢を引き出し、専門教育で具体的なキャリア支援を行う。
◎重点分野における先端的研究
 重点分野の大学院博士課程に資源を集中し、先端的研究で世界をリードする。

北九州の産業・経済・文化振興へこれからも貢献

ひびきのキャンパス
 本学はこれまで北九州市の大学として、市の産業、経済、文化振興へ多大な貢献をしてきた。こうした姿勢は法人化された後も全く変わることはなく、より以上に貢献していきたいと考えている。
 北九州学術研究都市の中核組織として技術開発センターを新設、産学官連携による技術開発を行うほか、中小企業への知的支援や北九州市が推進する「産業技術・文化創造の都市づくり」の一翼を担うことを本学の使命としたい。また市民の生涯学習のために行われている「公開講座」は市民にすっかり定着しており、拠点としての充実も図っていきたい。


【学 長】 吉崎 泰博
【創立年】 1946年
【所在地】
 北方キャンパス
 〒802-8577 北九州市小倉南区北方4-2-1
 TEL.093-964-4004
 ひびきのキャンパス
 〒808-0135 北九州市若松区ひびきの1-1
 TEL.093-695-3310
【URL】 http://www.kitakyu-u.ac.jp/
【設備・施設】
付属図書館/産業社会研究所/国際教育交流センター/情報処理教育センター/計測・分析センター/留学生会館/特殊実験棟
【学部学科】
〔外国語学部〕外国語学科/国際関係学科 〔経済学部〕経済学科/経営情報学科/ 〔文学部〕比較文化学科/人間関係学科 〔法学部〕法律学科/政策科学科/ 〔国際環境工学部〕環境化学プロセス工学科/環境機械システム工学科/情報メディア工学科/環境空間デザイン学科
【大学院】
〔経営学研究科〕経営学専攻 〔外国語学研究科〕英米言語文化専攻/中国言語文化専攻 〔法学研究科〕法律学専攻 〔経済学研究科〕経済学専攻 〔人間文化研究科〕人間文化専攻 〔社会システム研究科〕地域社会システム専攻
〔国際環境工学研究科〕環境工学専攻/情報工学専攻
〈主な就職先一覧〉
【外国語学部】
井筒屋、伊藤忠工業ガス、岩田屋、エアーニッポン、エクセル、NECネクサソリューションズ、NTTドコモ九州、沖縄銀行、オンワード樫山、国内信販、三陽商会、JALウイング、JAL九州サービス、大和証券、大和ハウス工業、中国新聞社
【経済学部】
伊藤園、伊予銀行、内田洋行、梅の花、エプソン販売、大塚家具、オービック、九州銀行、九州日本信販、九州旅客鉄道、熊本ファミリー銀行、コカ・コーラウエストジャパン、佐川急便、サトー、サニクリーン九州、サニックス、三洋電機、福岡銀行、福山通運、ベスト電器、ミサワホーム九州
【文学部】
大塚製薬、キーコーヒー、九州ジャスコ、小倉興産、JTB、シャボン玉石けん、日本テレコム、福岡シティ銀行、豊和銀行、ホテル日航福岡、三井ホーム、やずや、ヤマエ久野、読売新聞社
【法学部】
麻生、石村萬盛堂、大分銀行、岡三証券、岡村製作所、オムロン、西部ガス、西濃運輸、積水ハウス、ゼンリン、総合メディカル、鳥取銀行、日本放送協会、日本鋼管、日本マクドナルド、ファミリーマート、ミスターマックス、ローソン


北方、ひびきの両キャンパスに大学院を相次ぎ新設

透過型電子顕微鏡などを備える計測・分析センター(▲ひびきのキャンパス)
 北方キャンパスとひびきのキャンパスに、それぞれ2002年、2003年博士課程を有する大学院を新設。
 北方キャンパスに新設された大学院「社会システム研究科」は、後期3年のみの博士課程で、地域社会、思想文化、東アジア社会圏の3研究領域の教育研究を行う「地域社会システム専攻」である。
 また、ひびきのキャンパスの大学院「国際環境工学研究科」は、「環境工学専攻」と「情報工学専攻」の2専攻からなり、博士課程前期(修士)と博士課程後期を同時に開設した。
 人文科学系と工学系という異なる教育研究分野ではあるが、共に高度情報化、環境問題および地域の産業や社会に関する課題などに対応する人材育成や研究に取り組み、21世紀社会に貢献することを目指している。

▲扉に戻る
●ご意見・ご感想・情報提供はこちら
  (尚、無記名・連絡先のないメールは削除されます)