2004年4月号76ページに掲載

“高品質”地場ハウスメーカー2004

近未来の住宅市場に不動の地位を築くため 個性とクオリティーで進化する『家』

■新産住拓 ■西日本振興 ■段インテリア
■JR九州住宅 ■キットハウス ■エトー

独自の技術とデザイン力、その上で高品質な一邸を

 今、九州の住宅業界に望まれるのは「徹底した、個性とクオリティーの追究」といえる。
 住宅市場で、「量」(新規の注文棟数)を追うのはもっともだが、同市場が「質」の時代へと大きくシフトしているからだ。いうまでもなく、新設住宅着工数は景気のバロメーターであり、新築の1棟は家具や家電、自動車など高額消費の呼び水となる。
 ただし(1)少子高齢化と(2)総人口の減少が続く中で、競合は激化し(3)真に、ユーザー本位のハウスメーカーしか選ばれない状況が続くのも不変の事実だ。実際、出生率は過去最低を更新(人口1000人当たり9.2人)する一方、九州・沖縄8県は全国に先駆け、超高齢化社会に突入(2005年には、65歳以上の人口比率が21.4%)。日本の総人口も06年(1億2774万人)をピークに、ゆるやかにダウンしていくことが伝えられている。
家族の幸福は、一家だんらんのいこいのひとときを持つことから始まる
 もちろん、これは全産業共通の課題だが、経済の“水先案内人”である住宅産業では、その影響が明快に出るものと思われる。この近未来像に向け、地場ハウスメーカーとして勝ち残るには、ひたすら地域のユーザー間に「評判の好循環」を培い、普遍の存在価値を築くよりほかないだろう。
 そのハウスメーカーならではの素材選びやサービス、技術・工法、さらにデザイン力やサービスなどを発信、高品質で高性能な家を提供することだ。さっそく、ここにいくつかの事例がある。
 新産住拓(熊本市)の「木の上質さ」は定評がある。これは「樹木の錬成に時間を惜しまない」ため。通常、材木は伐採して市場に出されるまで1カ月ほどだが、同社では伐採した山で枝葉を残したまま自然乾燥させる「葉付き乾燥」に始まり「原木乾燥」「粗引き乾燥」まで、約2年をかける。
 西日本振興(福岡市)が提案する天然温泉付宅地分譲「杜(もり)の棲家(すみか)」では、管理棟を通して食事から衣類のクリーニング、庭の清掃・手入れなどさまざまなサービスを実施。24時間のセキュリティーシステムも完備しており、「快適と健康、そして安全までをサポートする」。
 筑前の小京都と呼ばれ、日本の原風景を色濃く残す甘木の丘陵地で「自然の借景もセット」での分譲だ。こうした、周囲の環境ごと手に入れたくなる展開が福岡県西北部にもある。

住まいに対する家族の“夢”を実現に向けて

 「ヴィレッタボスコ」(段インテリア、福岡市)のテラスからは福岡雷山ゴルフ倶楽部のグリーンが広がり、遠くには伊都富士、可也山がそびえる。前原市街地のにぎわいも見渡せ、晴れ上がった空のもとでは玄界灘が一望のもとだ。
  「JR九州の家」( ジェイアール九州住宅、福岡市)は高品質構造材、高性能断熱パネルに、衝撃や腐食に強い接合金物の三位一体化による「JRパネル工法」を開発。シンプルでモダンな印象の外観に合わせ、 JRのブランド力でユーザーに「快適な住まいを約束」している。
 このように多面的な提案がハウスメーカーからなされる中で、「自分流の家は自分で造る」(キットハウス、福岡市)という個性派も出てきた。屋根や骨組みなど基礎工事は、プロに任せ、壁塗りや内装などは自作する「ハーフビルド(半分自分で造る)」こそ、「世界で、ただ一つの我が家を生む」システムといえそうだ。
地価下落の影響もあり、敷地は広く延べ床は狭く取る傾向がある
 もっとも、これは家造りの基本で「本当に住んでみたい家は、ユーザーの数だけある」とみるべきだろう。そのため、エトウ(佐賀県基山町)のモットーは「お客様第一主義」。どんな希望や注文も丁寧に応え、「住まいに対する“夢の集合体”として」一邸を仕上げ、ファン層を拡大している。さて、以下ではさらに詳しく地場ハウスメーカーの最新像に迫ってみよう。
  03年の新設住宅着工戸数(国土交通省発表)は、3年ぶりに増加(前年比0.8%増、約116万戸)

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