2004年3月号132ページに掲載

特集 人材派遣

「規制緩和を追い風に人材派遣市場がますます拡大」

■アソウ・ヒューマニーセンター ■キャリアメイツ ■キャリアバンク 
■九電ビジネスフロント ■ドコモサービス九州 
■ラス コーポレーション九州支社 ■ジャストヒューマンネットワーク
 人材派遣市場が拡大の一途である。景気低迷や競争の激化など、各企業はさまざまな荒波を乗り越えて行く中で、一段と経営の効率化を図るとともに、環境の変化にいち早く対応できる柔軟な組織へと転換を進めている。こうした動向にあってそれらを実現する経営手段として、派遣人材を活用する動きが目立ちはじめた。正社員を核としつつも、仕事の中身や役割によってそれぞれに合わせた雇用形態を導入、機動性に富んだ企業へ生まれ変わっている。この3月からは人材派遣におけるさらなる規制緩和が予定され、より市場の拡大が見込まれるが、その主な内容と九州でキラリと存在感を放つ各人材派遣会社の取り組みをレポートする。

製造業への派遣が解禁


 労働派遣法の改正案の施行がこの3月から予定され、派遣に関する規制がさまざまな点で緩和されるが、これらの中で特にポイントとなるのが、製造業への派遣解禁と派遣期間の延長である。
 製造業への派遣解禁では、これまで認められていなかった自動車や家電といった工場ラインの組み立て業務などに、派遣人材を受け入れることが可能となり、経営側からすれば、その時々の生産量の増減に合わせ、必要な時に必要な能力を持つ人員を、必要な人数だけ確保することができるようになる。
 また、製造業において一般的になされている請負(アウトソーシング)とこの派遣との違いは、請負が、注文主会社と請負会社との間で請負契約を結び、その請負会社と雇用関係にある労働者が受注した請負業務を行うもので、この際の指揮命令権は請負会社にある。
 ところが派遣では、派遣会社と派遣先会社で契約を結ぶのは同様だが、指揮命令権は今度は派遣先会社が持つことになり、これにより企業は自社の社員と同じように直接指示ができ、その分、業務遂行で人員配置などをする時に、より多様な組み合わせを考えることができるようになる。
 これら製造業務の市場は一兆円規模と見られており、大手派遣会社がそのための専門会社をつくるなど、市場参入への活発な動きが展開されている。

派遣期間も延長

 そしてもう1つの改正の目玉となるのが派遣期間の延長。自由化業務に当たる営業職などが、今までの1年から3年に延長されるほか、ソフトウエア開発や機械設計をはじめとしたいわゆる26業種と言われるものについては、現行の3年から派遣スタッフが就業を希望する限り、無制限で派遣することが可能になる。
 営業職では派遣期間が1年だと、ようやく商品知識などを身に付けたころには期限が来てしまい、十分に力を発揮する機会を失われることも多かったが、3年になればさらに高度な知識の習得まで期待できる。
 その他の主な緩和としては、紹介予定派遣で、派遣スタッフ受け入れ開始前の面接や履歴書の送付を求めることなどが認められる。紹介予定派遣とは、派遣先が一定期間、労働者を派遣スタッフとして受け入れ、働いてもらった後、派遣スタッフと派遣先が合意すれば直接雇用ができるシステム。 
 面接や履歴書の送付などが解禁になることで、求職者と求人企業とのミスマッチを少なくすることができるようになり、企業側からすれば求める人材を確度を上げて得ることができ、今後よりこのシステムの活用が予想される。

働き方の選択肢の1つ

 こうした規制緩和も手伝い、人材派遣市場が拡大するとともに、派遣スタッフそのものの幅も広がりを見せている。以前は独身女性が圧倒的に多かったのが、男性や主婦が増えている。主婦の場合は家事などがあり、就業の時間が制限されるケースも多いが、その点派遣の仕事はさまざまな職種があり、また就業時間も自由度が高い。
 会社を退職した人などの中高年者の男性も増えているが、一方で就職先が決まらないまま大学を卒業した人が、派遣会社でマナーやパソコンなどいろいろな能力を身に付け、「新卒派遣」として送り出されている。
 人材派遣やアウトソーシングには、原価や人件費を抑えて経費削減を進め、経営の合理化を図るという抑制的な効果と、生産・売り上げアップを図るための、即戦力となる人材を「適材適所」に雇用できるという躍進的な側面があるが、厚生省の2001年度の事業報告によると、派遣スタッフはすでに175万人を超えており、今や働き方の選択肢の1つとして確立されている。

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