2004年3月号130ページに掲載

新コーティングで100年以上防食効果

グループ企業で事業化、新しい収益源に

 九州電力は他2社と共同で、鉄塔や橋りょうなどの鉄骨構造物のさびや腐食を防ぐ新しい加工技術を開発した。新技術はプラズワイヤー工法と呼ばれるもので、従来に比べ効率的かつ効果的にコーティングできる。グループ企業による事業化も図り、新たな収益源の1つとして大きな期待を寄せている。

優れた特徴持つ溶射技術 100年以上の防食効果

 防食加工の新技術は、九電とアイ・アンド・エフ(福岡市、石橋勝彦社長)、山田金属防蝕(福岡県粕谷町、山田謙一社長)が開発。最大の特徴は、100年以上の防食効果がある点で、以下のようなメリットがある。
 (1)腐食が激しい海岸部など、従来の塗装では5〜30年周期で塗り替えが必要だったが、100年以上の防食効果により基本的にメンテナンスが不要。
 (2)新しい溶射*1(=コーティング)装置の開発により、従来必要だったブラスト処理*2が不要となり塗装と同じ下地処理だけで施行が可能。
 (3)溶射に使用する材料は土壌中にも抱負に含まれる元素からできた合金であるため、シンナーなどの有機溶剤は使わず環境に優しい。
 (4)施行時のコストは他の防食法と同程度だが、効果が長いためライフサイクルコストの大幅な低減が可能。

新技術は既に特許出願中 全ての鉄鋼構造物に対応

   防食加工の新技術は、溶射装置をアイ・アンド・エフと、防食施行技術を山田金属防蝕とそれぞれ共同開発した。容赦膜に関しては、九電50%、残り2社が25%ずつの割合で特許出願中だ。
 防食加工事業は、西日本プラント工業を中心とする九電のグループ企業が展開する。施行対象は、(1)橋りょうや高速道路などの橋脚(2)備蓄タンクや陸揚げクレーンなどの海岸・海上設備(3)船舶や自動車などの輸送用機械(4)鉄塔や発電所配管などの電力用設備―といった鉄鋼構造物全般。年間売上目標は30億円を見込む。

*1溶射(コーティング)=金属やセラミックスなどを高温で溶融し、その溶融した材料粒子を構造物などの表面に高速で吹き付け、腐食や摩耗などから構造物を保護する被膜を作る方法。高温の熱源として、ガスや電気アーク、プラズマが使用される。

*2ブラスト処理=砂状の研削粒子を施行対象の表面に吹き付けることでさびや汚れなどを取り除き、表面に複雑なデコボコをつくる。このデコボコに溶射被膜が絡みつき、密着力を向上させる効果がある。

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