2004年3月号94ページに掲載
▲扉に戻る

地域浮揚のカギ握る、自治体の企業誘致

沖縄県

「『3つの経済特区』の魅力から企業の投資環境がアップする」


経営者の視点で、多面的な接点と柔軟な対応を

平良敏昭・企業立地推進課長
 沖縄県は日本唯一の「3つの経済特区」を全面に出して、企業誘致を進めている。
 (1)特別自由貿易地域(2)情報通信産業特別地区(3)金融業務特別地区では、沖縄県振興特別措置法に基づく法人税の35%軽減などの優遇措置に合わせ、賃貸工場の整備や、用地賃貸制度の導入による企業の初期投資の軽減((1)特自貿)、新ビジネスのインキュベート(育成)施設を充実させ、通信コストも軽減する((2)情報特区)ほか、金融関連企業の集積のためのオフィスビルを整備している((3)金融特区)。
 ここで、実際の誘致活動では「経営者の視座に立ち、多面的な接点と、柔軟な姿勢を保つこと」(平良敏昭・企業立地推進課長)が眼目となる。何しろ稲嶺恵一知事自身、全国唯一の経済人出身知事ということもあり、首都圏はじめ大都市圏でセミナーや説明会などを開催。トップセールスで精力的に同県の優位性をアピール中だ。その“効果”は、さっそくこの2月に表れた。

経団連も産業振興に積極的に協力する方向へ

 日本経団連(奥田碩会長)は5年ぶりに沖縄県に投資視察団を派遣。 IT(情報通信技術)やバイオテクノロジー、環境・健康などの新産業分野での企業立地を促して、同県の産業振興に協力する姿勢を明快にした。視察団社数(19社)は以前より拡大し、業種も多岐にわたっている。これから企業の進出や投資の可能性に対して「あらゆるカードを繰り出しながら、方向性を探る」ことになる。
 3つの特区の魅力はもちろん、「何が“縁”に発展するのか、分からない」からだ。

「美(ちゅ)ら海水族館」が“縁”で、10社目の賃貸工場へ

 水槽用大型アクリルパネル製造で、世界最大手の日プラ(香川県三木町、敷山哲洋社長)の特自貿(具志川市)進出へのキッカケとなったのは「沖縄美(ちゅ)ら海水族館」(本部町)だった。ギネスブックにも「世界一」として認定された(高さ8.2メートル、幅22.5メートル、厚さ60センチの巨大アクリルパネルに体長7メートル級のジンベイザメ3匹が泳ぐ)同水族館で、日プラがアクリルパネルの大型水槽を製造したことから、沖縄県との接点が高まり、トップセールスなども奏功して、10社目の賃貸工場への入居が確定した。 同工場ではアクリルパネルの製造技術を応用した家庭向け大型映像スクリーンを開発、欧米や韓国を中心に「Made in OKINAWA」のブランドとして、輸出販売する。
 新商品の名は「ブルーオーシャン」。70〜100インチまでの大型画面3種類で、アクリルの原材料はタイから輸入するが、このときかかる関税と消費税は免除されるなど、税制上の優遇措置が得られる。
 工場の敷地面積は6985平方メートルで、県内からは22人程度のスタッフを採用する。ここで、若年者の雇用に対する助成にもあずかる。
 賃金の1/3(最高10万円)を、最長2年間カバーすることで、豊富な労働力も確保できる。
 平良課長は「モノづくりに熱心で情熱を傾けて仕事に取り組む、沖縄県の若者に着目してほしい」と強調している。

▲扉に戻る
●ご意見・ご感想・情報提供はこちら
  (尚、無記名・連絡先のないメールは削除されます)