Invitation of Industory地域浮揚のカギ握る、自治体の企業誘致産学官一体のもと、地域経済の再生を急ぐ■沖縄県 ■大村市 ■都市基盤整備公団 九州・沖縄の各地方自治体による、「企業誘致」合戦が、白熱している。成長性ある新産業を地域に呼び込み市場を活性化、雇用を促進することで自治体の“基礎体力”をキープするのは、もはや「焦眉の急」。それというのも、国家主導の「三位一体改革」がジワリ、と効いているからだ。「三位一体改革」中に進む、地方自治体の“自助努力”
同改革によって2005年の国からの補助金は今年度より1兆300億円ダウンした。 また、地方単独の公共事業の削減を前提に地方の財源不足をカバーする地方交付税交付金や赤字地方債(臨時財政対策債)なども2兆9000億円をカット。 補助金削減の見返りには、国から地方に所得税の一部が個人住民税に移されるが、もともと税収には地域間で格差が大きい(例えば、個人住民税の1人当たり税収など、東京都は宮崎、沖縄の両県の3倍近い)。
ここで、都市基盤整備公団(04年7月からは「都市再生機構」)では「これからは、郊外型開発から都市部の再活性化にウエートを置く」。その背景には、もともと人口増加と産業伸展に合わせ、開発を進めてきたが、「今後は少子高齢化と人口減の時代に突入。住環境と産業構造の変化に合わせ、まず都心部からの整備が必要になる」との判断からだ。 基盤を整備、交通アクセスから住環境まで積極PR03冬以降、北九州市や長崎県などは中国・上海で日本貿易振興機構が開いた企業交流会に出席。好調な経済成長(03年の国内総生産は、実質9.1%増)が続く中国産業に期待をかける。これまでは、日本企業が中国への進出要請を受けるだけだったのが、日中間の企業誘致活動が双方向化しつつある。中でも北九州市は「国際物流特区」が構造改革特区第1号に認定(03年4月)。
同特区の舞台となる響灘地区(北九州市若松区)などの港湾を重点地区に指定し、臨港地区構造物の規制を緩和した。水深15メートルの大水深岸壁をもつ「ひびきのコンテナターミナル」が稼働し、05年には新北九州空港が開港する。こうしたメリットに合わせて、企業の設備投資に対する助成金の助成率をそれまでの2%から最大10%にまで拡大したことで「響灘地区の埋め立て地区への照会も増えた」という。 長崎県大村市には、ハイテク産業が「工場に合わせ、本社ごと同市に移転させる」ケースが相次ぐ。この要因には、同市が(1)交通アクセスに優れ(2)平たん地が多く、地価が安いのに加え(3)生活基盤の整備が進んでいる(下水道普及率92.3%、市道整備率96.1%、市内病院数82病院)ことなどが挙げられそうだ。「住職の環境が整った上で先端産業と地元企業との技術・情報の交流が深まる」潜在性がある。 また同市には「研究学園都市」構想があり、大学やシンクタンクなどへのアプローチも活発だ。 佐賀県では「伊万里サステイナブル・フロンティア知的特区」(伊万里市)が稼働。佐賀大学海洋エネルギー研究センターが進める「海洋温度差の研究」から、ベンチャーの創出などを狙っている。同時に県全体ではIT(情報通信技術)産業の育成も視野に入れ、データーセンターなどに従事する人材の育成にも余念がない。 年末には、ダイハツ車体大分中津工場(大分県中津市)が操業を始める。同県初の自動車組立工場の進出で、同市最大の事業所となる。家族を含めて約1000人が移住するが、ダイハツ車体関連企業の誘致にも力が入る。
「産学連係のもと、 IT関連企業に重点を置いた誘致活動が実を結びつつある」のが宮崎県。 「宮崎情報ハイウェイ21」を活用し、専用回線使用料の8割を3年間補助する施策を打ち出した。さらに宮崎産業経営大学・都城キャンパスでは、韓国最先端の IT関連企業の進出拠点となる「E- MIYAZAKI 日韓IT&ベンチャー国際センター」を設置。 また、同県内のプロバイダー企業、エムネットも同キャンパス内に「宮崎 ITソリューションセンター」を開設するなど、多彩な展開が続く。 アジアの中での優位性から新産業クラスターの形成へ沖縄県では優遇制度はもちろん、比較的に安価な労働コストや東南アジアと比較した安全性など、同県内への企業立地の優位性を強調する。また、沖縄科学技術大学院大学や沖縄健康科学バイオテクノロジー開発センター、那覇港の国際流通港湾化事業なども「新たな産業クラスターを形成する」ポテンシャルが高い。視察も多く、着実に“実効”を上げているようだ。さて、以下ではさらに詳しく、各自治体の企業誘致の実像にフォーカスしてみよう。 | |||||
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