健全なビジネスは健全な身体に宿る■原三信病院 ■シー・アール・シー ■今宿病院 過労や不規則な生活、不適切な食生活、運動不足、過度の飲酒、喫煙、ストレスなど、現代人は常に病気と背中合わせの環境にある。これに伴い、人々の健康志向が高まり、医師および医療の質とこれを補完する医療技術や先端技術産業の連携の重要性が叫ばれている。一方で、うつ病などのように心の病が増えていることを受けて、心をケアする「かかりつけ医」の存在も重要となってきた。福岡における先進的な取り組みを紹介する。現代医療に必要なのは高い質のサポート体制国民の健康志向の高まりとサラリーマンの医療費負担の引き上げ(03年4月)などから、大衆薬などを活用して自分の健康を自分で管理する「セルフメディケーション」という言葉が多く聞かれるようになった。この流れを受けて、ドラッグストア業界では専門アドバイザーの認定制度をスタートさせるなど、自己治療のサポート体制を整備し始めた。その一方で、三大成人病(ガン、脳卒中、心臓病)の原因でもある高血圧、高脂血症、糖尿病、肥満などの患者が増加している。これは、健康に対する現代人の意識の高揚が、病気の抑制に直接的な効果としては現れていないことを意味している。つまり、病気の治療には医師、患者、先端産業企業などの“コラボレーション”による高いクオリティーが必要であることを示している。厚生労働省「平成14年度人口動態統計」によると、死因順位の第1位は悪性新生物(30万4286人)で、1981年以降トップ。全死亡者に占める割合は前年度と同じ31.0%と3人に1人が悪性新生物で死亡している。第2位は心疾患(15万2398人)で、85年に脳血管疾患に変わり第2位となり、その後も死亡数・死亡率ともに上昇傾向にある。第3位は脳血管疾患(12万9589人)、前年比2267人の減少で、85年以降は減少傾向にある。 検査精度の向上により早期発見が可能となり、「ガンは治る時代となった」とも言われる。一方で、発症初期に自覚症状がない前立腺ガンなどは患者数が飛躍的に伸びている(01年度7645人。前年比101.7%)。医療技術の進歩で手術方法も高度化し、切開した上での摘出が主流だったものが、原三信病院(福岡市)のように超音波治療など短期治療で済み、合併症も少ない方法が開発され、この方法を採用する病院も増えている。医療技術の高度化と比例して正晃(同)のように、医療・情報機器や理化学機器といった最先端技術の情報提供とサポート体制が充実した企業の重要性は高まっている。 同様に、臨床検査業の分野でも高度な技術が要求されている。そこには、医師と業者の信頼関係が不可欠のファクターとなる。シーアールシー(同)は、最新の検査機器を駆使するだけでなく厳しい検査基準を設定することで、医師の信頼に応え質の高い医療を補完している。 成人15人に1人「うつ病」関心高まる“心のケア”前述した人口動態統計で軽視できないのが、20〜39歳(5歳区切り、4区分)の死亡原因の第1位が自殺である点だ。男性だけで見ても、20〜44歳(同、5区分)で1位、15〜19歳と45〜49歳で2位。特に30歳代と50歳代では増加傾向にある。また97年以降は、自殺者が毎年3万人を超えるが、その背景をなす最大の心の病気がうつ病と言われている。世界保健機関(WHO)の推計では世界人口の3〜4%の人がうつ状態にあるとしている。日本でも年々増加の一途をたどっており、成人の15人に1人はうつ病経験者というデータも存在する。こういった状況を背景に、心をケアする「心療内科」を掲げる医療機関がここ5年間で2〜3倍に増えているという。精神科よりも通院しやすい敷居の低さが理由のようだ。近年では、心の病が現代病のようになり、今宿病院(同)のように「身近な心の相談相手」としてカウンセリングなどを受けることに抵抗がなくなっていることも大きい。患者によっては、うつ病という自覚がなく、頭痛やめまいなど風邪に似た症状を訴えることも多い。内科医との兼業病院が多いこともあり、早期発見につながっているようだ。心身のヘルスケアに対する関心の高まりから、対応が変化していくことが予想される。 | |
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