長崎特集
長崎市
長崎港周辺の再開発で次々生まれる新たな観光資源
<中見出し>「異国情緒」に都市の魅力を加え
新たな年中行事として定着した「ランタンフェスタ」
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造船、漁業、観光を基幹とする産業構造は、まさに長崎市の産業構造そのものと言える。世界でも有数の設備と技術力を誇る三菱重工長崎造船所が、長崎市経済をけん引してきたのは言うまでもなく、また以西底びきを主に全国第2位の水産基地を形成してきた。そして観光である。その長崎観光の特徴を端的に表すのが「異国情緒」であろう。長崎港を中心に三方を山に囲まれた長崎市は、鎖国時代わが国唯一の海外文化流入の窓口であったことから山手の洋館、石畳の坂、唐寺、中華街など、今でも西欧と中国の影響を受けた独特の異国情緒を市内の随所に残している。グラバー園、大浦天主堂、孔子廟(中国歴代博物館)、崇福寺…これら西欧と中国文化が交錯する施設は、いずれも長崎を代表する観光スポットだ。また全国にも名を知られる年中行事の「長崎くんち」は、キリシタン文化に対抗して盛んになった祭りだし、新しい祭りとして登場し、今やすっかり定着した「ランタンフェスタ」は、中国色そのものである。まさに「異国情緒」が長崎の代名詞というのは疑いようもないことだ。
<小見出し>「出島」の完全復元にはずみ
長崎を代表する観光スポット・グラバー園
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長崎観光が、これら資源に頼ってきたのは事実であるが、さすがにこれだけに頼った観光には限界が見え始めてきた。長崎市の00年の観光客数は約512万人だったが、01年には約505万人に減少している。市全体の観光客数のバロメーターとなっているグラバー園の入園者数を見ても、99年の約135万7000人が00年には約132万人に減っており、減少傾向が目立ち始めてきている。
このため市は新たな観光資源の創造に力を入れており、出島の復元はその一環とも言える。国史跡「出島和蘭商館跡」用地の公有化、つまり用地買収作業は完了しており、出島の完全復元に向けた市の整備計画はピッチを早めてきている。市の当面の整備事業として、すでに敷地西側にヘトル部屋など復元建造物5棟が完成しており、引き続き2期工事として隣接用地に新たなカピタン部屋など6棟と南側石垣などがそれぞれ05年に完成予定だ。第2次復元計画では、建物25棟の復元を中心とする短中期計画と、四方を水面で囲う当時の姿を再現する長期計画がそれぞれ示されており、伊藤一長市長も「復元は市政の最重要課題」としている。この出島復元が実現すれば、長崎市の新たな観光資源になるのは間違いないだろう。
完全復元目指し事業が進む出島
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「観光振興=まちづくり」の観点から期待が大きいのが、県が進めるアーバン・ルネッサンス・2001構想だ。これは長崎港のウオーターフロント開発を含んでおり、すでに元船地区にはイズミ(広島市)を核テナントとする大型商業施設「夢彩都」、その隣接地に飲食・物販施設の「出島ワーフ」、それにプレジャーボート24隻が一時係留する「長崎出島ハーバー」が整備済みだ。現在、ウオーターフロント開発は、元船地区の西隣、常盤・出島地区に移っている。埋め立てはほぼ完了しており、芝生公園(イベント広場)、野外劇場、森の中の音楽堂、親水公園などを備える「海辺の緑地公園」、また並木道、座れる彫刻のある広場や小路、花の小島、森の劇場 (ミニ野外劇場)がある「運河沿いの散歩道」を整備する計画である。さらに、ここには新しい県立美術館を05年に建設する計画になっており、市民の憩いの場としてだけではなく、域外から集客する新たな観光資源が誕生することになる。
<小見出し>長崎港の新たなランドマーク
着々と進む常盤・出島地区の整備
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この常盤・出島地区の対岸では、旭町地区市街地再開発が進んでいる。計画では国道202号を挟んで長崎港に面したA街区に、県内で最も高い28階建てと13階建てのマンション、向かいのB街区に8階建てマンションを建設する。両街区で220戸の住宅を供給するほか、各ビルにはスーパーや飲食店、病院などが入居し、商業施設を併せ持った複合施設となる。高層マンションは長崎港の新たなランドマークとして彩りを添えることになりそうだ。完成はB街区が来春、A街区が04年春の予定。総事業費は約100億円を見込み、うち約30億円を国、県、市の補助金で賄うことになっている。また事業を推進するに当たって、建設業者が完成後のマンション・テナント床を買い取る「特定業務代行」方式を採用。県内4社でつくる共同企業体ランドトラスト(栗林秀雄社長)が受託し、事業を推進している。
このように長崎市は港周辺での再開発がさまざまに進んでおり、これらが新たなにぎわい=集客を生み出していくことになりそうだ。長崎観光は、既存の資源を活性化させつつ、これに都市機能を充実させることで生まれる新たな魅力を加えていくという未来図を描き始めている。
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