2002年11月号85ページに掲載
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長崎特集

「資源を最大限活用した魅力ある旅」を創造

観光立県へ新たな魅力づくり


 「観光立県」との旗印が、高々とひるがえっている。恵まれた豊かな既存の資源、それに加えて 「観光振興=まちづくり」との理念によって生み出されていく新たな都市の魅力。観光ナガサキは、ますます厚みを増しながら未来のビジョンを描き始めている。

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観光交流まちづくりを推進

 数多くの島々と複雑な海岸線が織りなす海岸美、四季折々に変化する山野の景観、それに各地の温泉や豊かに恵まれた山海の幸 ― 申し分のない観光資源である。実際、長崎県内には西海、雲仙・天草2つの国立公園、玄海、壱岐・対馬2つの国定公園がある。これら自然が生み出した観光資源に加え、わが国で最も古くから海外との交流が開花した地域として、他の地域にはない独特の地域文化を形成しており、これがまた長崎県の重要な観光資源になっているのは、改めて言うまでもないだろう。
 長年、造船、漁業とともに観光が基幹産業として位置付けられてきたのも、こうした恵まれた観光資源に負ってきた。ちなみに00年の観光消費額は2930億円。これは農業粗生産額1369億円と漁業生産額1273億円を合算しても、なお上回る数字であり、それほど観光のウエートが高く、官民挙げて「観光立県」に取り組んでいるのもうなづける。
 「観光立県」を掲げるだけに、振興への取り組みは、きわめて活発である。県は、部局横断的に総合行政として観光振興を図るため、99年4月金子知事を本部長とする「県観光活性化推進本部」を設置し、同年8月には県観光の基本施策として「県観光活性化行動計画」を策定した。同計画は2000年を「観光立県元年」と位置付け、長崎県の地域特性である「歴史、文化、風土、自然」などの観光資源を最大限に活用した魅力ある長崎県の旅の創造を目指している。そのため、ユニバーサルデザインへの取り組み、戦略的情報発信など、国内外からの多様な観光需要に応え得る魅力ある観光地づくりを進め「観光立県長崎」の実現に向け、県下全域で観光振興に取り組むとしている。
 主な事業としては、まず「県世紀まちづくり推進総合補助金(観光交流まちづくり推進事業)」がある。これは「観光振興はまちづくり」との観点から、地域が主体的に取り組む観光振興策を推進するための施策。旧来の「観光活性化プロジェクト振興事業」「交流支援施設整備事業」「交流促進事業」を統合したもので、地域の主体的な取り組みに対し県が予算補助する制度である。また地域の観光振興を担う人材を育成するため00年度には「長崎観光大学」を開講し、観光学研修講座、観光ボランティア創設講座、外国人観光客受入対策講座などを設けている。さらに観光情報をいつでも、どこでも、的確に提供するためインターネットによる「長崎県観光情報システム(ナイス・ネット)」を開設、日本語、英語、中国語、韓国語による観光情報を発信中。そのほか、コンベンション誘致のための開催費の一部助成、今年1月設立した「ながさき観光地映像化支援センター」による映画、テレビをはじめとする映像制作や雑誌の取材などへのさまざまな支援を行っている。 <小見出し>

期待大きい中国からの誘客

 さて、長崎県観光の実態を見てみよう。01年の観光客数は約3160万人で、過去最高となった。これは前年比0.4%増で、景気低迷、米国の同時多発テロの影響などを考えると、健闘したといえるだろう。観光ブロック別には、▼長崎市・長崎半島=610万人(対前年比1.1%増)▼佐世保市=734万人(同0.9%減)
▼平戸市=149万人(同3.1%増)▼島原半島=648万人(同3.5%減)▼五島列島=140万人(4.7%増)▼壱岐=71万人(同2.7%増)▼対馬=63万人(同8.2%増)▼西彼杵郡=257万人(同3.7%減)
▼諌早市・大村市・東彼杵郡、北高来郡=326万人(同5.0%増)▼松浦市・北松浦郡=164万人(同8.1%増)−となっている。これを見ても分かるように、佐世保市、島原市、小浜町、それに長崎市も1.4%減であり、同県観光の主軸地がいずれも前年を下回っている。これはユニバーサル・スタジオ・ジャパン(大阪)の開業、北九州博覧会や山口きらら博の開催、日蘭交流400周年記念事業などの反動と見られる。逆に平戸市、五島列島、壱岐、対馬などで増加しており、今後の観光振興策を示唆しているとも言えるだろう。
 国内客の誘致はもちろんだが、長崎県が特に重視しているのが、海外、特に東アジアからの誘客である。01年の外国人宿泊客数は約40万5400人。このうち東アジアからが30万7800人を占めている。台湾からの客が最も多く約12万9000人で、以下、韓国約8万7000人、香港約6万7000人、中国約1万1000人と続く。ただ、全体で前年より約2万8000人、また台湾、韓国、香港が軒並み減っており、米国の同時多発テロの影響を強く受けた数字となっている。その中で唯一増加したのが、訪日団体観光旅行が解禁された中国。実数は約1万1000人と、台湾、韓国、香港にはまだまだ及ばないが、対前年比の伸び率は14.9%であり、今後への期待を抱かせている。
 一方、先に述べたように観光消費額は2883億円である。客数は過去最高を記録したものの、観光消費額は対前年比1.6%減少した。しかも96年の3027億円をピークに減少傾向が続いている。日蘭交流400周年に当たった00年に、いったん前年を上回ったものの、01年には再び減少傾向を示したわけで、景気低迷による観光の「安・近・短」志向を如実に物語っている。
 以下、観光を中心にブロック別の産業の特徴と、その現状と振興策への取り組みを見ていこう。

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