2002年4月号108ページに掲載
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【人吉・球磨レポ】

 全国ブランドを目指す峰の露酒造

水と米にこだわり1世紀

堤正博社長

福岡営業本部を設置事業展開を本格化

 人吉・球磨地方を代表する蔵元、峰の露酒造(堤正博社長)の創業は1903(明治36)年。約1世紀の歴史を刻む蔵である。川底まで見通せるほどに透き通った球磨川の水は焼酎に最適な硬水で、これに球磨盆地で育った米を合わせた焼酎づくりは今日まで変わることなく脈々と受け継がれている。
峰の露酒造の大手蔵
 長い歴史を持つ蔵元だけに、蔵には35年以上経つ古酒を大量に貯蔵。この古酒を使った焼酎は、クセを抑え飲みやすくしたものから、独特の香味を生かしたもの、また度数も25度、35度、40度などがあり、豊富なバリエーションは愛飲家の心をときめかせている。中でも主力製品の本格純米焼酎「繊月(せんげつ)」、「たる繊月」、「舞繊月」などは地元はもちろん、東京、大阪など県外の売り上げも着実に伸び、米焼酎ファンを拡大している。
 今後はこの勢いをさらに加速すべく、4月には福岡営業本部を福 岡市内に設置し、北部九州地区への展開を本格化する考えだ。福岡営業本部を統括する堤博邦経営企画部長は「福岡進出に当たってはパイが大きい分、激しい競争を覚悟している。当社製品を通して、人吉・球磨地方のよさを分かっていただきたい」と意気込みを話している。

提携事業やオーダーメイド焼酎で新規分野へ挑戦

 主力製品が着実に浸透する一方で、新たな分野へも果敢に挑戦している。その1つが量販店や商社との提携企画事業。大手スーパーと共同開発した「五木」は、県産の無農薬米と球磨川の伏流水を使用。さらに竹炭ろ過でまろやかさを加えた。また三井物産が進める“幻の焼酎ルネッサンス事業”で共同開発した「霧の封印」も順調に売り上げを伸ばし、同社の地位を不動のものとしている。
本格純米焼酎「たる繊月」
 一方、地域と提携した“オーダーメイド焼酎”づくりも高い評価を得ている。球磨郡相良村産の米と川辺川伏流でつくった「川辺」や葦北郡芦北町産の米と水を使った「芦北」などはいずれも米、水、ラベル紙にいたるまで地域産にこだわった商品だ。これらは町おこしにも重要な役割を果たしており、1世紀にわたり地域と共に歩んで きた同社の面目躍如といったところ。また人吉商工会議所副会頭を務める堤社長は「いずれは工場の再整備を行い、人吉の観光スポットとしたい。当工場が観光地人吉の一翼を担いたい」と意欲的だ。
 こうした取り組みが県外でも評判を呼び、提携企画の広がりを見せている。千葉県香取郡多古町の異業種交流会から委託を受けてつくった「めでたいもの」は、同地区の多古米を原料にしたものだ。そのほか明治大学との提携でつくった「獨立自治」、「権利自由」、熊本中学、熊本高校の100周年記 念ボトル「士君子」など多彩な商品づくりだ。いずれの新製品も若手社員が柔軟な発想で取り組み誕生したもの。そのいずれもがヒット商品となり、堤社長が目を細めるのもうなずける。全国展開へ一歩を踏み出した峰の露酒造から目が離せない。
■峰の露酒造
熊本県人吉市新町1
TEL0966-22-3207
FAX0966-22-3208
ホームページ http://www.sengetsu.co.jp

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