2002年4月号106ページに掲載
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【人吉・球磨レポ】

 「神城文化の森」構想を進めるサンロード

自然豊かな人吉・球磨地方でまちづくり

藤田 勲社長
「生まれ育った郷土を大切にしたい」ー。人吉・球磨地方で食品スーパー10店、酒一番9店、明屋書店2店、デベロッパー事業を運営しているサンロードの藤田勲社長が、こんな思いからまちづくりに乗り出したのが1983年。当時、未開発だった荒れ地は、今や同地方で最大規模の店舗面積を誇る「サンロードシティ」に生まれ変わった。4月28日には、新たな施設として「神城銘木博物館」をオープンする。

神城銘木博物館がオープン(展示面積1700坪)


サンロードシティ全景
 「サンロードシティ」は、人吉市中心部から車で約10分、国道219号と221号の分岐点にある。開発元であるサンロードの藤田社長が、当時は未開発であったその場所に、複合ショッピングセンターの設置を決めたのは、「熊本・鹿児島・宮崎を結び、産業・観光・生活の主要広域道路となっている2本の国道がクロスしており、ゆくゆく人吉・球磨地方の中心地になる」と確信したためだ。
樹齢800年の市房杉(直径3.3メートル神城銘木博物館に展示)平成13年5月17日上球磨木材原木市場にて落札
 サンロードシティの開発コンセプトは、1自然環境の充実、2資源の充実、3ヒューマニティの創造の3つだが、根底には藤田社長が掲げる「神城文化の森構想」がある。
 同構想は、人吉・球磨地方で暮らす人々が、いつまでも住みよい環境を維持できるよう自然の森を整備し、清流球磨川と豊かな大自然に恵まれた人吉・球磨地方のよさを継承していくことを目指したもの。その一環としてあるのが、サンロードシティの開発であり、人吉・球磨地方の豊かな自然をバックグラウンドに、ショッピング・観光・レジャー・アミューズメント、文化の5つの機能を提供する複合商業施設を作り上げることで、同地方11万人の消費者に潤いを与え、なおかつ地域が抱える問題(過疎化・高齢化・産業の衰退など)にストップをかけることを目標にしている。いわば、「サンロードシティ」は、当地方に出現した「まち」そのものであるわけだ。

サンロードシティの一角にある神城
 同シティの敷地面積は、約33万平方メートル(約10万坪)。商業部分は、93年にオープンしたジャスコをキーテナントにサンロード、専門店ほか、カー用品のイエローハット、明屋書店、ホームセンターサンコー、そば茶屋吹上庵などで構成、そのほか神城文化の森の中の温泉および宿泊、神城神社、神城公園、グラウンドパターゴルフ場、小動物とふれあうバニーランドなどアメニティ施設もそろっている。
第13代今泉今右衛門作品
神城銘木博物館内
 ここに、新たな施設として「神城銘木博物館」が加わる。同博物館には、樹齢1000年の市房杉や屋久杉のコーナーをはじめケヤキ・マツ・シオジ・他、桧など九州一円から約15億円の製品を一堂に展示、また2階には人間国宝・第13代今泉今右衛門の「色絵置物」作品や、一勝地焼きや上村焼きの特別展示室も設けている。
 さらに、孔雀石を敷き詰めた博物館に隣接する庭園内には、熊本城にあったケヤキ丸太などを配置する「屋外銘木展示場」も設置する。
 藤田社長は、「人吉・相良藩810年の歴史は、植林を繰り返しながら木の文化を育み、市房山の市房杉、五木山のけやき、白髪岳山のひのきなどを生み出してきた。銘木博物館は、相良藩以来脈々と受け継がれている木の文化の継承と、木のぬくもりを多くの人に感じていただきたいという願いから設置した」という。「木の文化」の発信拠点である。

完成に近づきつつある「神城文化の森」構想

サンロードオリジナル神城焼酎と神城の梅酒
 サンロードシティの開発主体であるサンロードは、66年に藤田社長が創業した藤田精肉店が前身。それから食肉の販売に乗り出すなど、またたく間に業容を拡大してきた。サンロードを設立したのは、前述のサンロードシティによるまちづくりに着手した83年。それから10年間は、同シティの整備と、食品スーパー・酒一番・明屋書店・デベロッパー事業の運営を並行して進める。
明屋書店店内
 当初の計画通り、サンロードシティにはちょうど10年目に、テナントとしてジャスコを迎え入れ、サンロードシティをオープン、一方で食品スーパーの展開も積極的に進め、経営基盤を固めてきた。ちなみに昨年12月には人吉市に10番目となる食品スーパーを開店した。出店地はかつて相良藩第37代・相良瀬網公の所有地だったことから「サンロード相良藩店」と命名した。企業理念に「郷土愛を大切にしたい社員一丸となって郷土に奉仕」を掲げる同社の社風を感じさせるエピソードだ。
 サンロードシティの開発に着手してから、来年で節目の20年目を迎える。神城銘木博物館のオープンは、長きにわたる開発の集大成でもある。
藤田社長の出身地免田町にあるサンロード免田店
 藤田社長は、「サンロードの設立により、人吉・球磨地方に地域の核となるまちづくりを目指し、開発に着手してから、目標達成のために10年計画を立てて取り組んできた。神城文化の森構想に基づくまちづくりも、来年12月までに一つの形が出来るよう全社一丸となって取り組んでいく」という。さらに「神城文化の森から新しい生活・文化の情報を発信することで、人吉・球磨地方の生活文化の向上と地域活性化に向けて最善を尽くしたい」と話している。

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