2002年4月号104ページに掲載
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【人吉・球磨レポ】

 その豊かな自然そのもの

“球磨焼酎”の魅力



 熊本県の焼酎と言うと米焼酎だが、古くから人吉・球磨地方でつくられる焼酎に限って、「球磨焼酎」と呼ばれて区別されてきた。肥よくな土壌を持つ人吉・球磨盆地で育った良質の米と球磨川の清流、あるいは大地からの清れつな伏流水でつくられるからで、まさにこの自然豊かな地方そのものである。

おいしい焼酎づくりに最適の地

 焼酎が人吉・球磨地方に伝えられたのは、今から500年前の戦国時代で、相良氏が八代を領して海外貿易をしていたころだと言われている。その後焼酎づくりは相良藩によって保護されたこともあり、この地にしっかりと根付くことになった。
 これだけ長い年月にわたって受け継がれてきた最大の要因は、この地がおいしい焼酎づくりに最適の地だったからである。肥よくな土壌を持つ人吉・球磨盆地で育った良質の米、日本3大急流の1つに数えられる球磨川の清流、あるいは豊かな大地からの清れつな伏流水。そこに長い伝統に培われた人の英知が加わり、この地方の気候風土と相まって、特有の芳香と風味を持つ「球磨焼酎」が生み出されている。
 「『球磨焼酎』は日本一おいしい焼酎だと思っている。何しろ原料からしてここ人吉・球磨の肥よくな土壌で育まれた良質の米。米は原料としては最高級のものであり、他の原料を使った焼酎と比べても、原料費だけで倍近くもする。それに清水、伝統に培われた技が加われば、おいしくならないはずがない。特に最近は各蔵元が競い合ってよく研究もしており、新しい製法を取り入れたり、一段と品質が向上している」(地元経済人)と地元も絶賛の自信作である。

世界の銘酒の仲間入り

 こうした「球磨焼酎」に対して平成7年に国税庁は、国際的に通用する酒類の「地理的表示を保護する法律」により、日本で初めて他の2地域とともに産地指定をした。世界の銘酒には、ウイスキーと言えばスコッチ、ブランデーと言えばコニャック、ワインならボルドーというように、原産地の名前がついており、「球磨焼酎」もこの産地指定を受けたことで、名実ともに世界の銘酒の仲間入りを果たすことになった。
 現在、人吉・球磨地方には27軒の蔵元があり、全体で年間2万7000キロリットルの焼酎を生産、地元はもとより全国、そして海外へも出荷し、各地で愛飲されている。
 時を超え、時代を超えて、脈々と現代に受け継がれてきた「球磨焼酎」。今またさらなる飛躍の時を迎えているが、この地から生み出されたその特有の芳香と風味をぜひ一度味わってみたい。

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